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おっかない未亡人
第1章 グレイなふたり
休みの日
慎吾と三原の母珠子が訪問してくる
三原が亡くなってから荷物を片付けにたびたび訪れていた
慎吾はあれから仕事に復帰したが
結局結婚はせず彼女とも別れたらしい
「幸子さん、これも持って帰ろうかしら~。」
三原が大事にしていたゴルフクラブ
「シンちゃんが使えばいいよ。」
「じゃあ貰おうかな。」
一通り片付けて3人で和菓子を食べる
珠子はもう70が近い
三原が亡くなった後もこうして幸子を気にかけてくれていた
「幸子さんは、これからどうするの?」
いつか聞かれると思っていた
「そうですね。槻ちゃんもこっちに帰ってきたことだし、、。」
「槻はいつかここを離れるわ。幸子さんもまだ若いんだし、これからの事を考えてみたらどうかしら。」
「これから、、ですか。」
「私たちは幸子さんをここに縛り付けておく権利はないわ。誰かいい人を見つけて、、ねぇ、慎吾。」
「うーん。俺はゆっくり考えばいいと思うけど。」
幸子は三原の遺影を見る
微笑んでいて何も答えてはくれない
みんなあたしを突き放そうとする
今一番誰かにそばに居てほしいのに
「お母さん、私は今特にここを離れることは考えてないです。なるようになりますよ。」
「だよ。母ちゃん。早まらなくていいよ。幸子ちゃんが決めることだしさ。」
慎吾もなだめる
二人を玄関まで見送る
ふと慎吾を呼び止めた
「シンちゃん。」
慎吾が振り返る
「やっぱりゴルフクラブ置いてって。」
「、、、。」
慎吾がきょとんとして幸子を見ていた
「先帰ってるわね。」
珠子が帰ると慎吾と幸子は玄関に座って話をした
「まだ受け入れられなくて。」
幸子は空を見上げる
「俺もだよ。」
「みんな、これからのことばかり話すけど、、あたしって用済みなのかな?」
慎吾がこちらを見る
「何かあった?」
また泣いてしまう
松下に甲斐甲斐しく世話を焼いていたのは自分の意思だった
こんなことになるくらいなら
無理にでも約束した関係をを迫るべきだったかな
約束しなくても成立してるとか勝手には思い上がってたのはあたしだけだったんだきっと
もう考えても考えても答えが出なかった
慎吾の手が伸びてきて背中を擦ってくれる
暖かい手だった
日が暮れるまでいつまでも泣いていたのであった
慎吾と三原の母珠子が訪問してくる
三原が亡くなってから荷物を片付けにたびたび訪れていた
慎吾はあれから仕事に復帰したが
結局結婚はせず彼女とも別れたらしい
「幸子さん、これも持って帰ろうかしら~。」
三原が大事にしていたゴルフクラブ
「シンちゃんが使えばいいよ。」
「じゃあ貰おうかな。」
一通り片付けて3人で和菓子を食べる
珠子はもう70が近い
三原が亡くなった後もこうして幸子を気にかけてくれていた
「幸子さんは、これからどうするの?」
いつか聞かれると思っていた
「そうですね。槻ちゃんもこっちに帰ってきたことだし、、。」
「槻はいつかここを離れるわ。幸子さんもまだ若いんだし、これからの事を考えてみたらどうかしら。」
「これから、、ですか。」
「私たちは幸子さんをここに縛り付けておく権利はないわ。誰かいい人を見つけて、、ねぇ、慎吾。」
「うーん。俺はゆっくり考えばいいと思うけど。」
幸子は三原の遺影を見る
微笑んでいて何も答えてはくれない
みんなあたしを突き放そうとする
今一番誰かにそばに居てほしいのに
「お母さん、私は今特にここを離れることは考えてないです。なるようになりますよ。」
「だよ。母ちゃん。早まらなくていいよ。幸子ちゃんが決めることだしさ。」
慎吾もなだめる
二人を玄関まで見送る
ふと慎吾を呼び止めた
「シンちゃん。」
慎吾が振り返る
「やっぱりゴルフクラブ置いてって。」
「、、、。」
慎吾がきょとんとして幸子を見ていた
「先帰ってるわね。」
珠子が帰ると慎吾と幸子は玄関に座って話をした
「まだ受け入れられなくて。」
幸子は空を見上げる
「俺もだよ。」
「みんな、これからのことばかり話すけど、、あたしって用済みなのかな?」
慎吾がこちらを見る
「何かあった?」
また泣いてしまう
松下に甲斐甲斐しく世話を焼いていたのは自分の意思だった
こんなことになるくらいなら
無理にでも約束した関係をを迫るべきだったかな
約束しなくても成立してるとか勝手には思い上がってたのはあたしだけだったんだきっと
もう考えても考えても答えが出なかった
慎吾の手が伸びてきて背中を擦ってくれる
暖かい手だった
日が暮れるまでいつまでも泣いていたのであった