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第1章 お見合い相手

「ははは。言うね。」

私はクルッと背中を向けると、オフィスに戻った。

私だって、好きで独身なんかじゃない。

それが嫌で、昨年お見合いもした。

相手は、同じ年代のエリート会社員。

年収はあるし、真面目だし、私を大切にしてくれる。

このままいけば、今年あたり結婚してもいいかなって思っている。


「今日は、これで上がろう。」

私はパソコンをシャットダウンし、荷物を持った。

オフィスを出て、エレベーターに乗り、呆然と扉を見ていた。

「疲れたな。」

私はどうして、こんなに仕事が好きだったんだろう。

そっと目を閉じて、若い時の事を考えていた。

きっと、何も考えずにがむしゃらだったんだと思う。