この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第51章 祈り(アズート)
しかし無駄であった。
五年の間、毎日の如く祈ってきたのだが何の変化もなかったのだ。
祈り終わり、顔を上げた時にルナの目に奥の間の扉が映った。
そこは以前、司教の部屋であった。
少しでも忌まわしい想い出を無くそうと改装はしたのだが、記憶は消せる訳ではない。
恐る恐る、ルナは扉を開けた。
今でも思い出してしまう。
母が犯されていた。
尊敬し、慕っていた司教様に。
その男は実は悪魔の化身だったのだ。
今は亡き父母の遺品を保管している。
せめて聖剣が見守る場所の近くにと母の霊を弔いたかったのだが、さすがにアズートの部屋に置くべきではなかったかもしれない。
五年の間、毎日の如く祈ってきたのだが何の変化もなかったのだ。
祈り終わり、顔を上げた時にルナの目に奥の間の扉が映った。
そこは以前、司教の部屋であった。
少しでも忌まわしい想い出を無くそうと改装はしたのだが、記憶は消せる訳ではない。
恐る恐る、ルナは扉を開けた。
今でも思い出してしまう。
母が犯されていた。
尊敬し、慕っていた司教様に。
その男は実は悪魔の化身だったのだ。
今は亡き父母の遺品を保管している。
せめて聖剣が見守る場所の近くにと母の霊を弔いたかったのだが、さすがにアズートの部屋に置くべきではなかったかもしれない。