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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第56章 消えた男(アズート)
男は苦痛とも笑いとも取れる表情で顔を歪ませていた。
ジューム人を無数に殺した残虐な男である。
しかし慈悲深いマチルダは僧侶達にも嘘をつき、聖堂の奥深くにかくまった。
「何て、いい女だ・・・」
男は何人もジューム人の女を犯していた。
しかし、自分の命はもうイクバクも無い事を悟っていた。
男は祈った。
「神でも悪魔でもかまわねぇ・・・。俺を、もう一度生かしてくれ」
その声は聖堂に木霊し、笑い声が返ってきた。
「良かろう、我に身を委ねるが良い・・・。
その代わり、お前の身体は消滅するだろう。
安心するが良い。
人間の身体など、幾らでも転がっているわ・・・。
只、ワシが蘇るにはもっと力がいる。
邪悪な魂の力がな・・・。
二百年の間、封じ込められた聖堂には善人しか近寄れなかった。
お前程の「悪の魂」を待っていたのじゃ・・・。
その壁に向かって呪文を唱えよ」
ジューム人を無数に殺した残虐な男である。
しかし慈悲深いマチルダは僧侶達にも嘘をつき、聖堂の奥深くにかくまった。
「何て、いい女だ・・・」
男は何人もジューム人の女を犯していた。
しかし、自分の命はもうイクバクも無い事を悟っていた。
男は祈った。
「神でも悪魔でもかまわねぇ・・・。俺を、もう一度生かしてくれ」
その声は聖堂に木霊し、笑い声が返ってきた。
「良かろう、我に身を委ねるが良い・・・。
その代わり、お前の身体は消滅するだろう。
安心するが良い。
人間の身体など、幾らでも転がっているわ・・・。
只、ワシが蘇るにはもっと力がいる。
邪悪な魂の力がな・・・。
二百年の間、封じ込められた聖堂には善人しか近寄れなかった。
お前程の「悪の魂」を待っていたのじゃ・・・。
その壁に向かって呪文を唱えよ」