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初恋のひと
第3章 迷い
佳子さんとの懐かしい思い出を話し
少しだけ佳子さんの顔に笑みがこぼれた

「わたし、小さいころから佳子さんの事が好きでした。
 いいえ、今も好きです」

「え? わ・た・し?? あたるくん…」

突然の告白と「わたし」という言葉に驚いた様子の佳子さん

「今度、お時間いただけませんか?
 一緒に食事でもしながらお話したいの」

そう言いながらわたしは佳子さんに名刺を手渡した

「…そうね、わかったわ。今度、連絡するわね。」

佳子さんは彼との事を考えながらそう応えた。

「主任との関係をバレないように気をつけなくちゃ」
「うーん、あたるくんって、 彼よりも上手なのかしら?」

そんな事をちょっぴり想像しながら
佳子さんはわたしに手を振って帰って行った。

「良かった。佳子さんに思い出してもらえて」

佳子さんが帰って行く後ろ姿が
また昔のように美しくて
あの頃よりもやっぱり色気に溢れていて
またわたしは興奮しながら佳子さんを見つめていた。

「わたしって、いけない女なのかしら?」

寂しい身体と心を夫以外の男性に触れさせてしまった佳子さん。

そんな事をまだ知らないわたしは
佳子さんとの再会に改めて喜んでいた。

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