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熱い視線に身体が疼く
第1章 偶然の出会い
入る瞬間、後ろを振り返ったら、あの人が手を振っていた。

思わず手を振り返すけれど、スタジオのスタッフだったのかな。


スタジオの中に入ったら、控室に通された。

「ここでメイクして貰って。」

「はい。」

すると突然、今回のメイクさんが、こちらに来てと呼びかけた。

私は素直に、鏡の前に座って、メイクしてもらう。

「渡辺さん。演技は大丈夫?」

「はい。これでも劇団員なんで。」

「へえ。どこの?」

「二ノ宮劇団って言う……」

「聞いた事ないな。まあ、経験があるのならいいや。台詞はないから安心して。」

「はい。」

確かにウチの劇団、売れてないもんな。

チケットはいつも、劇団員が知り合いに頼んで、買って貰っているし。
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