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ベターハーフは何処にいる
第10章 長い夜と新しい朝
そして、社会勉強と紹介したい人が居るからと、
豪ちゃんと2人、豪ちゃんのお父様に連れられて、
銀座の高級なクラブに連れて行かれた時のことだった。
そのお店は、以前も連れて行かれたことがあるお店で、
ママさん達とも顔馴染みだった。
自分のことのように私の妊娠も喜んでくださり、
わざわざ、カフェインレスの温かいハーブティーを用意してくださったりした。
紹介したい人と言うのは、
豪ちゃんのお父様が所属する会派の長だという当選回数が多い長老議員の方だった。
結婚式には秘書の方がいらしていたけど、
現職の大臣として内閣を支える立場で、
勿論、お顔も名前も存じ上げている方だった。
「あの…先生とお呼びした方が良いですか?
それとも、おじさまと?」と言うと、
とても嬉しそうな顔で笑って、
「おじさまが良いな?」と言われた。
ちらりと豪ちゃんのお父様を見ると、
頷いていたので、
これは「おじさま」で決まりだなと思った。
豪ちゃんは勿論、認識があるけど、
なんだろうという顔をして、頭を下げた。
話の内容は、
自分は年齢的に隠居して、
会派を豪ちゃんのお父様に託したいと考えていて、
今後を考えると豪ちゃんも政治家になって欲しいから、
自分の地元から選挙に出ないかというものだった。
「わしの処は跡継ぎが出来なかったからのう」と、
淋しそうに笑った。
「こいつは外で修業すると言って、
秘書も辞めておりますので。
愛美ちゃんが説得してくれれば、
やるかもしれないけどな」と、
豪ちゃんのお父様が言う。
「えっ?」
「なんなら、愛美さんが出ても良いぞ。
あの、スキャンダルの時の立ち回りは、
そこら辺のオトコより、余程肝が座っていたからのう」と笑われて、
豪ちゃんとポカンとした顔をする。
そこに、アイスペールを持った女性がやって来て、
こちらを向いて、
私は驚きのあまり、
ハーブティーのカップを落としてしまった。
「うわ。
愛ちゃん、大丈夫?
火傷、してない?」と、
豪ちゃんが慌てておしぼりで私のスカートの辺りを拭こうとするけど、
私は手が震えてしまっていた。
豪ちゃんと2人、豪ちゃんのお父様に連れられて、
銀座の高級なクラブに連れて行かれた時のことだった。
そのお店は、以前も連れて行かれたことがあるお店で、
ママさん達とも顔馴染みだった。
自分のことのように私の妊娠も喜んでくださり、
わざわざ、カフェインレスの温かいハーブティーを用意してくださったりした。
紹介したい人と言うのは、
豪ちゃんのお父様が所属する会派の長だという当選回数が多い長老議員の方だった。
結婚式には秘書の方がいらしていたけど、
現職の大臣として内閣を支える立場で、
勿論、お顔も名前も存じ上げている方だった。
「あの…先生とお呼びした方が良いですか?
それとも、おじさまと?」と言うと、
とても嬉しそうな顔で笑って、
「おじさまが良いな?」と言われた。
ちらりと豪ちゃんのお父様を見ると、
頷いていたので、
これは「おじさま」で決まりだなと思った。
豪ちゃんは勿論、認識があるけど、
なんだろうという顔をして、頭を下げた。
話の内容は、
自分は年齢的に隠居して、
会派を豪ちゃんのお父様に託したいと考えていて、
今後を考えると豪ちゃんも政治家になって欲しいから、
自分の地元から選挙に出ないかというものだった。
「わしの処は跡継ぎが出来なかったからのう」と、
淋しそうに笑った。
「こいつは外で修業すると言って、
秘書も辞めておりますので。
愛美ちゃんが説得してくれれば、
やるかもしれないけどな」と、
豪ちゃんのお父様が言う。
「えっ?」
「なんなら、愛美さんが出ても良いぞ。
あの、スキャンダルの時の立ち回りは、
そこら辺のオトコより、余程肝が座っていたからのう」と笑われて、
豪ちゃんとポカンとした顔をする。
そこに、アイスペールを持った女性がやって来て、
こちらを向いて、
私は驚きのあまり、
ハーブティーのカップを落としてしまった。
「うわ。
愛ちゃん、大丈夫?
火傷、してない?」と、
豪ちゃんが慌てておしぼりで私のスカートの辺りを拭こうとするけど、
私は手が震えてしまっていた。