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ベターハーフは何処にいる
第11章 旅立ち
翌日、樹さんには敢えて自宅に来てもらうことにした。


「えっ?
愛ちゃん、良いの?
自宅とか、特定されちゃうよ?」と豪ちゃんは心配するけど、
私は「大丈夫だから」と言った。


本当に久し振りに会う樹さんは、
なんだか毒気がすっかりぬけてしまって、
枯れ枝みたいになっていた。


応接室にお通しして、
紅茶と自分で焼いたクッキーを並べた。


樹さんは立ったままで、
座ろうとしないから、
「まあ!
どうか座ってください?」と言ってみた。


「愛美さん。
本当に酷いことをして、
申し訳ありませんでした」と頭を深々と下げる。


「あの…。
取り敢えず座ってください。
私も座りたいから…」と促して、
ようやく座る。


目尻に涙が少し残っているのは、
決して嘘泣きではないと感じた。


「…やっぱり少しだけ、
葉さんに似てるのね?」と私が言うと、
樹さんは困惑した顔をした。


「きっと、フラれたばかりの葉さんの面影を感じたから、
私、油断しちゃったのね?」と声を上げて笑うと、
樹さんと豪ちゃんが、ポカンとした顔をする。


「もう、済んだことだから。
私、幸せだし。
ねっ?
豪ちゃんも良いでしょ?」

「まあ、愛ちゃんが良いって言うなら…」と、
あまり納得しない顔で言う。


「勿論、忘れてないよ?
だって、初めてだったんだから。
本当に酷い。
どうせなら、ちゃんと好きって抱き締めて貰って、
たくさんキスされてからしたかったのに、
何、あれ?」と口にすると、
涙が溢れてしまう。


「本当に、ごめん。
俺、葉にコンプレックス持ってたし。
葉が惚れてるって聞いて、
見たら凄く愛美さん、可愛くて。
俺のモノにしたくなった」

「当たり前だよ?
愛ちゃんは、世界一、可愛いんだからさ」


「豪は、妹みたいとしか言わなかったじゃん?
附属の時も大学に入ってからも?」

「うっ…。
まあ、そうだったけどさ」


「翔子も酷いこと、させるよと思ったけど、
実際、ヤッたのは、俺だし。
今更、謝っても、何も変わらないし、
顔も見たくないだろうけど。
本当にごめん。
もう、二度と会わないから」


「えっ?
それは無理よ?」


「えっ?」

樹さんと豪ちゃんが、
同時に声を上げた。
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