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ベターハーフは何処にいる
第2章 初めての片想い
大学でも予備校でも、
私の周りにはいつも1ダースほどの男子がいた。
積極的に口説こうとしてくる猛者も居たけど、
殆どは周りでお互い出し抜かないようにと紳士協定を結んでいるような気弱なコばかりだった。
そして、いつも一緒に居る豪ちゃんと付き合ってると思ってるヒトも多いみたいだった。
身長は低いけど、
少し童顔に見られる整った顔立ちと、
メリハリのついた体型、
そして何より、声が可愛いと言われていた。
はっきりと意見を言うタイプだけど、
多分、口調とかでやんわり聴こえるとも言われていた。
自分から「好き」だなんて言わなくても、
そっと見つめて、目を逸らしたら、
大抵の男子が告白してきてくれた。
だから、森田くんも私のことを好きになってくれると思っていた。
でも、全然、森田くんは私に興味を持ってくれなくて、
なにも始まらなかった。
豪ちゃんと私のハタチの誕生日を合同でしようと言って、
豪ちゃんの部屋に森田くんを呼んだ時も、
私が焼いたケーキも料理にも、
何も言ってくれなくて、
シャンパンやワインを開けて、
酔っ払ったフリをして寄り掛かっても、
そっと身体を離されてしまって泣きそうになった。
お酒に弱い豪ちゃんがすっかり寝入ってしまった後に、
「お誕生日プレゼント欲しいの。
キス、して?」と思い切って言ってみたけど、
「小松さん、酔ってるでしょ?」と言って、
全く取り合ってくれなかった。
「酔ってないと言えないんだもん。
私…森田くんのこと、好き」と言ってしまうと、
ポロポロ涙が出てしまった。
「泣き上戸なのかな?」と少し困った顔をして、
「あいつ、小松さんのこと、好きでしょ?
だから、ダメだよ」と言った。
「えっ?」
「豪は、僕の数少ない大切な友達だから。
ごめん」
「豪ちゃんは、幼馴染よ?
別に付き合ってる訳でもないし、
お互い、好きだなんて…」
「いや、小松さんのこと、大好きでしょ?
見てたら判るよ」と言った。
「でも、私…。
森田くんが好きなの」と言って、
そっと手を握り締めて、
森田くんの顔を見上げた。
私の周りにはいつも1ダースほどの男子がいた。
積極的に口説こうとしてくる猛者も居たけど、
殆どは周りでお互い出し抜かないようにと紳士協定を結んでいるような気弱なコばかりだった。
そして、いつも一緒に居る豪ちゃんと付き合ってると思ってるヒトも多いみたいだった。
身長は低いけど、
少し童顔に見られる整った顔立ちと、
メリハリのついた体型、
そして何より、声が可愛いと言われていた。
はっきりと意見を言うタイプだけど、
多分、口調とかでやんわり聴こえるとも言われていた。
自分から「好き」だなんて言わなくても、
そっと見つめて、目を逸らしたら、
大抵の男子が告白してきてくれた。
だから、森田くんも私のことを好きになってくれると思っていた。
でも、全然、森田くんは私に興味を持ってくれなくて、
なにも始まらなかった。
豪ちゃんと私のハタチの誕生日を合同でしようと言って、
豪ちゃんの部屋に森田くんを呼んだ時も、
私が焼いたケーキも料理にも、
何も言ってくれなくて、
シャンパンやワインを開けて、
酔っ払ったフリをして寄り掛かっても、
そっと身体を離されてしまって泣きそうになった。
お酒に弱い豪ちゃんがすっかり寝入ってしまった後に、
「お誕生日プレゼント欲しいの。
キス、して?」と思い切って言ってみたけど、
「小松さん、酔ってるでしょ?」と言って、
全く取り合ってくれなかった。
「酔ってないと言えないんだもん。
私…森田くんのこと、好き」と言ってしまうと、
ポロポロ涙が出てしまった。
「泣き上戸なのかな?」と少し困った顔をして、
「あいつ、小松さんのこと、好きでしょ?
だから、ダメだよ」と言った。
「えっ?」
「豪は、僕の数少ない大切な友達だから。
ごめん」
「豪ちゃんは、幼馴染よ?
別に付き合ってる訳でもないし、
お互い、好きだなんて…」
「いや、小松さんのこと、大好きでしょ?
見てたら判るよ」と言った。
「でも、私…。
森田くんが好きなの」と言って、
そっと手を握り締めて、
森田くんの顔を見上げた。