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ベターハーフは何処にいる
第3章 いきなりの失恋と喪失
そのまま、暫くじっとしていたと思ったら、
立ち上がって煙草を吸い始めた。

咳喘息がある私は、
苦しくて咳が止まらなくなる。


「ん?
煙草、苦手なのか?
わりい」と言って、煙草を消すと、
「匂い、残ってると、また、咳が出るか。
シャンプーしてくるわ」と言って、
浴室に入ってしまった。


私はふらつきながらもなんとか慌てて起き上がって、
切られた下着をバッグに入れて、
ワンピースとコートを着た。

ベッドのシーツには生々しく血痕が残ってたから、
布団を掛けて、
バッグを握り締めてホテルを飛び出した。


大通りまでなんとかヨタヨタしながら移動した。
後ろなんかは、怖くて振り返れないから、
とにかく前に進んだ。

ようやくタクシーに乗って携帯を出すと、
森田くんと豪ちゃんからの着信があった。


私は豪ちゃんに電話をして、
「部屋に居る?
すぐにそこに帰るから」と泣きながら言った。


下腹部が痛くて、
冷や汗が滲んでくる感じがする。

ナカから、気持ち悪い何かがドロリと出る感触もあった。



でも、とにかく、
逃げなきゃ。
豪ちゃんの処に戻らなきゃと思って、
震えながら耐えた。
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