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ベターハーフは何処にいる
第3章 いきなりの失恋と喪失
豪ちゃんの部屋のドアをノックすると、
すぐにドアを開けてくれる。

私は子犬みたいに豪ちゃんの胸に飛び込んで、
震えながら泣いた。


「愛ちゃん、ちょっと。
どうしたんだ?」
と言いながら、
抱えるようにリビングまで連れて行ってくれてソファに座らせる。


「2人とも、トイレから出たら居なくなってるし、
携帯にも出ないし…」と言いながら、
コートを脱がせてくれて、
豪ちゃんは異変に気がついた。


「服、どうした?
切れてるよ?
手首も痣みたいな跡があるし。
えっ?」


「あのね。
お店を出て、フラフラ歩いてたら、
ヒトとぶつかっちゃって。
危ないから、コーヒー飲もうかってカフェに入ったら、
多分、眠たくなる薬、入れられてて、
それで…ホテルに連れて行かれて…」


「やられたのか?」


私は泣きながら頷く。


「ナカに、出されちゃって…。
写真か動画も撮られちゃったの。
もう、ダメ。
どうして良いか、わかんない」と言うと、
豪ちゃんは私を抱き締めて背中を撫でてくれる。

見ると豪ちゃんも泣いていた。


「怖かったよね。
ごめんね。
1人にして。
あのさ、訴える?」

「えっ?」

「刑事事件にするなら、
証拠保全しないといけないけど、
訴えないなら、
風呂に入ろう。
洗ってあげるから。
どうする?」

「訴えたりするの、やだ。
警察や裁判で、話をするのも嫌」

「判った。
じゃあ、風呂、沸かしてくる。
ちょっと待ってて。
それで明日の朝イチ、病院に行こうな。
俺が一緒に行くから」と言って、
頭をポンポンしてくれた。
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