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ベターハーフは何処にいる
第4章 再会
月曜日は家裁での調停の案件があって、
クズみたいな夫をどうやっつけて、
親権と養育費と慰謝料を貰うかっていう話をして、
なんだか気持ちがヘトヘトになる。

愛し合って結婚した筈なのに、
どうしてこうなるの?

こういうのに巻き込まれると、
気持ちが消耗してしまうとこぼすと、
先輩弁護士の小百合さんが、
「あんまり感情移入しちゃダメよ?」と笑う。


弁護士しながら、お子様も居て、
2人目の育休から復帰してもバリバリ働いている憧れの方。


その後は、事務所で資料纏めたりして、
木曜日はパパ…、じゃなくて所長のお供で、
顧問している会社との会議に同行した。


「たまには実家に帰ろうよ」とパパが言うから、
一緒に実家に帰って、
ママを手伝いながら夕食や晩酌の料理をした。


「とても美味しい」とパパが言うから、
「私、ママみたいな専業主婦になりたいな?」と言うと、
2人に大笑いされてしまう。

「なんだ?
相手も居ないくせに。
それとも、豪くんと結婚するのか?」

「それはヤダ。
だって、兄妹みたいなんだもん。
もっと頼り甲斐があるパパみたいなヒトが良いな」
と言うと、
パパは一層、嬉しそうな顔をして、
ママは少し呆れ顔で、
「でも、愛美ちゃん、1週間で専業主婦、飽きたって言いそうよ?」と笑った。


「一緒に予備校行ってたコ、
アメリカのロースクールに行って、
あっちの弁護士資格も取ったって?
私も留学したいな」


「えっ?
まあ、語学は心配ないだろうけど、
治安とか、大丈夫なのか?
それに、寂しいよ?」とパパが言う。


「そうよ。
一人暮らしだって、
豪ちゃんが居るから安心してたけど、
アメリカなんて…」


「短期だったけど、
ホームステイもしてたじゃない?」


「あそこは、うちと契約してる会社の社長の家だから、
セキュリティも完璧で安心だったからな」


「そういえば、入り口に銃を持ったガードマンさん、居たし、
送り迎えも車だった」


「ロースクールだと、寮に入るか、
近郊のアパートとかだろう?
いや、心配だよ?」と言われて、
その話は終わってしまった。


凄く自分が愛されてて、
大切にされてるのは良く判ったけど、
長期留学は許して貰えないらしい。
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