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第4章 再会

「どうしたんだ？
なんで、愛ちゃん、泣きながら気絶してたの？
森田、お前、何かしたの？」と、
少し恐い顔で豪ちゃんが森田くんに言う。


「樹のこと、謝ろうとしたら…」

「えっ？
このタイミングで？
折角、忘れてたのに？」

「忘れること、ないよ？
だから、ちゃんと説明して、僕からも謝りたくて」


私は震えながら、
「どうして？
どうして、森田くんが、樹ってヒトのこと、
謝るの？」と訊いた。


「樹は、僕の双子の弟なんだ」と少し恐い顔で言った。

「俺とは、高校まで、同じサッカー部に居たから、
面識、勿論あった。
だから、愛ちゃんに名前と外見聞いて、
すぐにピンときた」と豪ちゃんが補足するように言った。


「双子って言っても二卵性だから、
そこまで似てないし。
あいつ、多分、わざと小松さんのことを…」と唇を噛んだ。

「えっ？」

「もっと言うと、
それ、多分翔子ちゃんの差し金でしょ？」と、
豪ちゃんが言うから、
混乱し過ぎてクラクラしてしまった。


「あの…。
全然、話が見えない。
頭、痛い。
身体も熱くて…」


「うわ。
冷やさないと。
ハーゲン、食べようか？
俺、食べさせてあげる」と、袋からハーゲンを出して、
お気に入りの銅で出来たアイスクリーム用のスプーンをキッチンから出してきて、
一口ずつ、食べさせてくれた。


私は、されるまま、
ゆっくりアイスを口に入れて貰う。

熱が高いせいか、
あっという間に溶けては、
喉を通り抜けていった。


森田くんは、そんな様子を静かに見ていた。