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ベターハーフは何処にいる
第4章 再会
「うー。
汗だくで気持ち悪い…」と言いながらもそもそと起き上がろうとして、
頭にのっていた濡れタオルがスルリと落ちる。


「大丈夫?」という森田くんの声に少し驚いて見回すと、
豪ちゃんはソファでグーグー眠っていて、
森田くんはベッドに寄り掛かるようにして私を見てたから、

「うわ。
近すぎ。
不細工な顔してるから、見ないで?」と言うと、

「小松さんの寝顔、
可愛かったよ?
なんか、子供みたいだった」と言われて紅くなってしまった。


豪ちゃんが目を覚まして、
体温計を渡される。


「おっ。
だいぶ下がったな?
知恵熱か?」と笑う。


「汗だくで、気持ち悪いから、
シャワー浴びたい」と言って、
出て行くように圧をかけてみたけど、

「中で倒れてるといけないから、
ここで待ってる」と豪ちゃんは言って、
話を聞いてくれなかった。


仕方なくノロノロと起き上がって、
アイス枕に掛けてたタオルと頭にのせてたタオルを手に
バスルームに行ってシャワーを浴びた。

身体がさっぱりして、軽くなった気がした。


パジャマじゃなんか恥ずかしいから、
部屋着のコットン素材のワンピース姿で部屋に戻る。

豪ちゃんがドライヤーを持って乾かしてくれるのを、
不思議そうな顔で森田くんが見る。


「こいつ、めんどくさがって、
ドライヤー、かけないんだよ。
女子として、どうなの?」と言いながら、
鼻歌交じりで私の髪を乾かす。


「ミック・ジャガーの歌みたいだな?」と、
森田くんが笑い出した。


汗だくのシーツや枕カバーが嫌で、
それを剥ぎ取って洗濯機に入れて、
タオルやパジャマと一緒に洗い始めると、
すっきりした気分になった。


ついでにお布団も干したくなったけど、
実家みたいに外には干せないから、
布団乾燥機をセットして、
ソファに座ると、
また、身体が少し怠くなってきてしまった。


「愛ちゃん、まだ治った訳じゃないから、
ちょこまか動かないで休んでないと!
なんか、飯、食う?」と言われるけど、
食欲が沸かなくて、首を横に振る。


「ちゃんと食べないと、
治らないし、
力が出ないぞ?」


「でも、豪ちゃん、
カップ麺しか作れないでしょ?」と言うと、

「僕が何か、作ろうか?」と森田くんが言うから、
私と豪ちゃんは目を丸くしてしまった。
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