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ベターハーフは何処にいる
第7章 スキャンダル
「電話、繋がらないし、
顔を見て話をしたかったから、
来ちゃった」と言うと、
涙が溢れてしまった。

なんの涙なのか、
自分でも判らなかった。


「ソファに座って、ブランケット掛けてて?
寒いでしょ?
コーヒー、淹れるね?」と、
ロングカーディガンを羽織って狭いキッチンに立ってお湯を沸かすのをぼんやり見てた。


大きめのマグカップを渡されて、
両手で持って息を吹き掛ける。


「猫舌、変わらないね?」と森田くんが笑う。


何から話せば良いのか判らなくて、
私は黙り込んでしまう。


「森田くん。
私が居なくても生きていけるよね?」

「えっ?」

「ルーシーも居るし、
電話で声も聴かなくても全然、平気なんだよね?」


森田くんは黙り込んでしまう。


「私は淋しかったよ?
でも、だんだん、慣れてきた。
慣れちゃうってことは、
本当に好きってことだったのか、
自分でも判らなくて、苦しくて…」


話をしながら、
呼吸が苦しくなってしまう。


森田くんがマグカップをそっと私の手から離すようにしてテーブルに置くと、
私を抱き締めて静かに言った。


「ごめんね。
僕もどうしたら良いか判らなくなってた。
日本にはもう戻るつもりはないけど、
愛美さんをこっちに呼ぶ自信もない。
何しろ、物価が高いから、
弁護士してても、
思ったよりカツカツの生活だよ?
愛美さんが一人っ子だってことも知ってるから、
そんなこと、言えないと思ったし」


「もう一つ、聞かせて?
樹さんてヒトのこと。
豪ちゃんと何があったの?」

「えっ?」

「今ね、日本で大変なの。
豪ちゃんね、
学生時代に暴行事件起こしたって実名報道されてるの。
親が揉み消したとまで言われて、
お父様もバッシングされてるの」


そう言うと、森田くんは静かに話を始めた。
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