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ベターハーフは何処にいる
第7章 スキャンダル
「愛美さんが樹に酷いことをされた時、
名前を聞いて、豪はすぐに相手が樹だってことが判ったんだ。
その話を僕にもして、
実家に住む樹の処に2人で行った。
それで、携帯で撮った写真を削除するように言った。
その時、家には両親は居なくて、
翔子ちゃんが来てて、
樹と2人でその写真とかを観ていたと聞いて、
僕は樹を殴ろうとした。
そしたら、豪が…」と言って、
森田くんは拳を握り締める。
「豪が僕に、『殴って司法試験の合格に影響あるといけないし、
殴るのは俺の役目だ』と言って、
樹のことを殴った。
樹は吹っ飛んで、翔子ちゃんが警察に電話した。
それでそのまま、連行されたんだ。
事情聴取で、僕も豪も、愛美さんのことは言えなかった。
言えないことを見越していた樹と翔子ちゃんは、
『恋愛関係のもつれが原因で一方的に殴ってきた』と言ったそうだよ。
それでも、豪は沈黙して、
たいした怪我でもないから示談にしようと樹の方から持ち掛けてきて、
豪のご両親も今後のことを考えてそうした方が良いだろうって言って…」
「そんなの、酷い」
私は涙が止まらない。
「森田くん、ありがと。
やるべきことが判った。
あのね。
樹ってヒトを訴えるよ。
森田くんのご実家に迷惑掛けちゃうけど…」
「えっ?」
「でも、森田くん、日本に帰らないから、
大丈夫だよね?」
「でも、それじゃあ…」
「それと、これ。
返すね?」
と、ティファニーのキーホルダーごと、
この部屋の鍵を返した。
「お守りしてくれてたけど、
もう大丈夫。
あのね。
私、森田くんとの恋に恋してたみたい。
ごめんなさい」
「決めたんだね?
判った」とだけ言って、
森田くんは私を抱き締めて、
額にキスをしてくれる。
「ニューヨークから応援してね?
私、絶対に許さないし、負けないから」と立ち上がる。
「援護射撃が必要なら、
日本に行くよ。
悪いことをした奴は、
罰せられるべきだから。
野放しにしてた僕も、
同罪だよ」
「そんなこと、ないから。
実家と縁を切るなんて、
よほどのことだもん。
じゃあ、帰るね?」
「ティファニーで指輪、
買えなくてごめん。
豪と上手くいくといいね?」
「それより、
最後にキスして?」と背伸びをして、
首にぶら下がるようにすると、
そっとキスをしてくれた。
名前を聞いて、豪はすぐに相手が樹だってことが判ったんだ。
その話を僕にもして、
実家に住む樹の処に2人で行った。
それで、携帯で撮った写真を削除するように言った。
その時、家には両親は居なくて、
翔子ちゃんが来てて、
樹と2人でその写真とかを観ていたと聞いて、
僕は樹を殴ろうとした。
そしたら、豪が…」と言って、
森田くんは拳を握り締める。
「豪が僕に、『殴って司法試験の合格に影響あるといけないし、
殴るのは俺の役目だ』と言って、
樹のことを殴った。
樹は吹っ飛んで、翔子ちゃんが警察に電話した。
それでそのまま、連行されたんだ。
事情聴取で、僕も豪も、愛美さんのことは言えなかった。
言えないことを見越していた樹と翔子ちゃんは、
『恋愛関係のもつれが原因で一方的に殴ってきた』と言ったそうだよ。
それでも、豪は沈黙して、
たいした怪我でもないから示談にしようと樹の方から持ち掛けてきて、
豪のご両親も今後のことを考えてそうした方が良いだろうって言って…」
「そんなの、酷い」
私は涙が止まらない。
「森田くん、ありがと。
やるべきことが判った。
あのね。
樹ってヒトを訴えるよ。
森田くんのご実家に迷惑掛けちゃうけど…」
「えっ?」
「でも、森田くん、日本に帰らないから、
大丈夫だよね?」
「でも、それじゃあ…」
「それと、これ。
返すね?」
と、ティファニーのキーホルダーごと、
この部屋の鍵を返した。
「お守りしてくれてたけど、
もう大丈夫。
あのね。
私、森田くんとの恋に恋してたみたい。
ごめんなさい」
「決めたんだね?
判った」とだけ言って、
森田くんは私を抱き締めて、
額にキスをしてくれる。
「ニューヨークから応援してね?
私、絶対に許さないし、負けないから」と立ち上がる。
「援護射撃が必要なら、
日本に行くよ。
悪いことをした奴は、
罰せられるべきだから。
野放しにしてた僕も、
同罪だよ」
「そんなこと、ないから。
実家と縁を切るなんて、
よほどのことだもん。
じゃあ、帰るね?」
「ティファニーで指輪、
買えなくてごめん。
豪と上手くいくといいね?」
「それより、
最後にキスして?」と背伸びをして、
首にぶら下がるようにすると、
そっとキスをしてくれた。