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ベターハーフは何処にいる
第8章 リスタート
「はぁ。
死ぬかと思った」と真っ赤な顔で言う豪ちゃんに、
お水をそっと渡した。


「結婚って?」と真顔で豪ちゃんが言うのを見て、
呆れた顔で豪ちゃんのお父様は、

「お前と愛美ちゃんの結婚だよ」と言うので、
私と豪ちゃんは顔を見合わせてしまって、
ポカンとしてしまった。


「お前たち、部屋は別とはいえ、同じマンションだし、
あの…その…。
そういうことじゃないのかな?」と更に言われて、
2人とも顔が紅くしてしまって、

「いえいえ。
そういうことは…」と同時に言うと、

「なんだ?
不甲斐ないな?
愛美ちゃん、可愛いから、
他のオトコに盗られるぞ?」と笑われてしまった。


「私も豪くんならと、
ずっと思っているんだが。
豪くん、愛美ではダメなのかな?」とパパまで言うので、
正直、困ってしまう。


私は…。
豪ちゃんが好き。
でも、豪ちゃんは、
いつか言ってくれたままの気持ちなのか、
訊けないまま、この1年、過ごしてしまっていた。

レイプの件も豪ちゃんは知ってるけど、
そのことで訴訟を起こして、
両方の両親に心労を掛けてしまった。

森田くんとのことも、
気にしてると思うし。


どう考えても、
上手く行く感じがしない。



でも…。
気持ちは伝えようと思って、
私は思い切って口にした。



「私は豪ちゃんのこと、
大好きです。
妹みたいにしか思って貰えてないとは思うけど…」と言うと、
親達の前なのに涙が出てしまった。


「えっ?愛ちゃん?
どうした?
お腹痛いの?」と豪ちゃんが言うから、

「馬鹿っ!」って言って、
胸を拳で軽く叩いてしまった。


「豪、お前、本当に不甲斐無いぞ?
女の子から言わせるなんて!」と豪ちゃんのお父様が言うと、
豪ちゃんはポケットから何かを取り出した。
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