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瞼を閉じて想うひと
第1章 ただ、快楽を与えてくれればそれでいい
クチュクチュと唾液を絡ませながら貪られるように口付けをされる。


事後の軽い口付けと違い彼が激しく舌を絡めてきたら体を重ね合う、
その合図なのだともう理解出来るほどには一緒にいる。


頭を撫でていた彼の右手が私の首筋を伝い、背中を優しく擦りながら臀部へと移動する。


その間も私の頬や額に幾度も幾度も唇が触れ、
耳たぶを甘く噛まれ、
首筋に唇を這わせ、跡に残らぬ程度の強さで優しく吸われる。


「美琴さん、好きだよ。」


彼のこの言葉は合言葉みたいなものだと理解している。
恐らく体を重ねている女性には全員に言っているであろうことは容易に予想できる。


私の首筋を撫でるように舐めていた唇は乳房へと移り、先端の突起を口に含んで甘く噛む。


「ね、ちょっとベッド行こう?ここじゃゴムもないでしょう。」


これから起こることへの期待を隠すように彼を払い除けるように浴室を出ようとした。
本当は、どうせならばベッドの上で心置きなく貪られたい。


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