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俺の肉奴隷は11歳
第5章 7月12日 『松田圭』
自動ドアが開いて、俺は店内に入った。

工場のような騒がしい金属音、奇妙なメロディ。ギラギラした光が点滅する板の前に、人が並んで座っている。バカみたいだ。
パチンコ屋は俺の最も嫌いな場所のひとつだ。こんなものに熱中する奴らは軽蔑する。

どこにいるんだ?
バカな奴らの後ろを歩きながら探した。俺の体型では狭くて苦労する。
いた。
頭をかき、イライラしながらパチンコ台を叩いている女。俺は声をかけた。
「母さん」
泰子は俺を見て驚いていた。
「圭ちゃん…どうして?」
「ちょっと出よう。どうせ負けてるんだろ?」

近所のカフェに入った。
「旦那は知ってるの?パチンコしてる事」
「あの人は、そういうの嫌いだから…」
「俺もだよ。なんか旦那とは気が合いそうだな」
と俺は笑って言った。
「母さん、いくら借りてるの?」
「え?」
「俺の知る限り、パチンコで本当に儲けてる奴なんて、めったにいない。でもあれは依存症だから、やめられない。旦那に内緒なら、こっそり借金するしかないよな?違う?」
泰子はうつむいて、黙っていた。図星だな。情けない女だ。

「ねえ母さん、俺は別に責めてるわけじゃないよ。むしろ母さんの味方だ。このことを旦那に知られずに、助けられるのは俺だけだよ」
「圭ちゃん…助けるって…?」
「いくら必要なの?」
「13万…」
俺は財布から金を出し、数えて渡した。
「とりあえず20万」
「こんなお金…どうして?いいの?」
「母さんのためだからね、気にしないでいいよ。でも今回だけだよ?パチンコはもう、やめた方がいい」
「そう…ね」
「ところで、あの話しは?決心ついた?」
「あれは…もう少し待って…」

俺は泰子の手を握った。
「こんなこと言いたくないけど…俺は母さんが産んだ子だよ?俺だけだよ?その子は所詮、義理の娘だよね?母さんにとって、どっちが大切?こんなふうに母さんを助けられるのは、どっち?よく考えてよ」
「それは…そうだけど…」

「この前はつい、あんな事言ったけど…やっぱり俺、母さんを嫌いになれない。だって本当の親子だから」
「わかった…あの人に話してみるわ」
「さすが、俺の母さんだ。ありがとう」
俺は満面の笑みを浮かべた。
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