この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
俺の肉奴隷は11歳
第5章 7月12日 『松田圭』
その夜。俺は盗聴器で、夫婦の寝室の会話を聞いていた。
『家庭教師?麻莉奈にはまだ早いよ。それに、そんな金は…』
旦那の声だ。
『他の子と差をつけるために、早くからしっかり勉強したほうがいいって言うの。とってもいい子よ。大学院生なの。医学部だって。お金もいらないって』
『信用できるのか?』
『私の友達の息子さんなんだけどね、母親とふたりだけで、とっても苦労してきたの。友達は亡くなったけど、息子さんは今、近くに住んでるの。偶然会って、麻莉奈のこと話したら、ぜひ勉強を教えてあげたいって言うの。小さいときから知ってるけど、すごくマジメで、しっかりした子よ』
『泰子がそこまで言うなら…一度会ってみるか』
ちゃんと俺が教えた通りに言ってるじゃないか。いいぞ泰子。
2日後。
再び、水野家を訪れた。
俺を出迎えたのは旦那だった。水野陽一という。
「お待ちしてました」
にこやかな顔。旦那は営業職らしい。なるほど、営業用スマイルか。
しかし俺の顔を見て一瞬不快な表情をしたのを、俺は見逃さなかった。まあ慣れてるが。
俺は会釈した。
「初めまして。松田圭です」
泰子の息子は、存在していないことになっている。とりあえず、姓は変えて名乗ることにした。
某国立大学の学生証を見せた。もちろん偽造だ。
娘は、家にはいなかった。
俺は『松田圭』の身の上話しをした。
「父は僕が3歳のとき亡くなりました。母は僕を育てるために、とても苦労しました。母には持病があり、医学を志したのは、母の病気を治したい一心からでした。しかし病状が悪化して、僕は大学院を休学して看病しました」
俺の作り話を、陽一は神妙な面持ちで聞いていた。亡くなった先妻のことでも想っているのか。
「その母も亡くなって…ショックでした…僕はしばらく、ひとりで過ごしたいと思い、この町の静かなところに移り住むことにしたんです」
陽一は…涙ぐんでいる?こいつ涙もろいのか?
『家庭教師?麻莉奈にはまだ早いよ。それに、そんな金は…』
旦那の声だ。
『他の子と差をつけるために、早くからしっかり勉強したほうがいいって言うの。とってもいい子よ。大学院生なの。医学部だって。お金もいらないって』
『信用できるのか?』
『私の友達の息子さんなんだけどね、母親とふたりだけで、とっても苦労してきたの。友達は亡くなったけど、息子さんは今、近くに住んでるの。偶然会って、麻莉奈のこと話したら、ぜひ勉強を教えてあげたいって言うの。小さいときから知ってるけど、すごくマジメで、しっかりした子よ』
『泰子がそこまで言うなら…一度会ってみるか』
ちゃんと俺が教えた通りに言ってるじゃないか。いいぞ泰子。
2日後。
再び、水野家を訪れた。
俺を出迎えたのは旦那だった。水野陽一という。
「お待ちしてました」
にこやかな顔。旦那は営業職らしい。なるほど、営業用スマイルか。
しかし俺の顔を見て一瞬不快な表情をしたのを、俺は見逃さなかった。まあ慣れてるが。
俺は会釈した。
「初めまして。松田圭です」
泰子の息子は、存在していないことになっている。とりあえず、姓は変えて名乗ることにした。
某国立大学の学生証を見せた。もちろん偽造だ。
娘は、家にはいなかった。
俺は『松田圭』の身の上話しをした。
「父は僕が3歳のとき亡くなりました。母は僕を育てるために、とても苦労しました。母には持病があり、医学を志したのは、母の病気を治したい一心からでした。しかし病状が悪化して、僕は大学院を休学して看病しました」
俺の作り話を、陽一は神妙な面持ちで聞いていた。亡くなった先妻のことでも想っているのか。
「その母も亡くなって…ショックでした…僕はしばらく、ひとりで過ごしたいと思い、この町の静かなところに移り住むことにしたんです」
陽一は…涙ぐんでいる?こいつ涙もろいのか?