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自分の為のBL
第4章 喫茶黒猫

「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」




あの後、呼吸を整えて冷静になってみたら、思いの外時間が経っていて、夜の営業時間直前だった。

慌てて汚した床を片付けて、何でか子供みたいに店長から服を着せて貰って…
似合ってると思った耳と尻尾は、結局駄目だって言われて外された。


首のチョーカーだけはそのまま。


…………深く考えるの苦手だから間違ってたらゴメンだけど、これは自惚れても良いんじゃないかな?

忙しく接客をこなしながらもチラチラさっきの出来事が頭を掠める。店長が気になって仕方ない。
集中しなきゃまたお皿が割れる!!

だけど…お昼の時とは全然違う。


これはもう、恋に間違いない!
相手は今日出会ったばっかりの色気ムンムンで変態なオジサンだけどっ
好きなんだからしょうがない。


チョーカーの鈴をわざとチリンチリン鳴らしながら歩く。

小さい音だから、迷惑にはならないだろう。けど、音が聞こえる度に嬉しい気持ちが沸いてきて、ニヤニヤは止められそうに無いっ



オーダーついでに言っておこう!

「店長!1度飼ったら最後まで責任持って下さいね!俺、店長の猫ですからっ!!」



奥からガシャーンッと何かが割れる音がした。
店長も割ることあるんだな…

後でお仕置きしちゃおうかな?!
何て、ドキドキワクワクで俺の就職初日は過ぎて行くのであった。






完。




『アイツ………後でお仕置き。』
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