この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
自分の為のBL
第1章 雨
「………こちらこそ」
改まって言われると、嬉しいやら恥ずかしいや らで……素っ気なく返してしまった。 けれど、空はそんな事も解ってるようで、大人 の余裕か穏やかに笑っている。
いつの間にか雨は止んでいた。 窓の雫に太陽がキラキラと眩しい。
「あ…折角作ったのに…朝食、絶対冷めてる。 温め直すから、起きて食べよ?…その前に着替 えだね。色々スッキリしたらお腹減ったで しょ?」
「………………空…っ!」
雨天の朝は頭が重たい俺の為に、唯一、空が決 めてた決まり事。
…雨の日の朝食は一緒に食べる約束。
始めは面倒に思っていた空の気遣い。 気付けば心地良くなって、………あの頃から、空 の中でも自分の存在が特別だったと思っても… 良いんだろうか。
「あ、それから……ご飯食べたら、デートし よ?僕の事、晴人に知って欲しい。…晴人の事 も、もっと知りたい。………さっきの続きは…夜 に。ね」
「……~っ」
特別な雨の日はさようなら。
これからは、特別な毎日。
end…