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溺愛契約
第6章 伸樹君の家族
それは休日の昼間だった。

「香美さん、話があるんだけど。」

「話?何?」

洗濯物を干し終わって部屋に戻ると、伸樹君が真剣な目でこっちを向いていた。

「お袋に会って欲しいんだ。」

「お母さんに?」

「うん。」

伝わってくる。伸樹君が、ドキドキしている事。

「……うん。いいよ。」

「本当?よかった。」

ほっとした表情。

誰でも、恋人と家族は仲良くしてもらいたいもんね。

「いつにする?」

「来週の週末は?」

「うん。予定空けておくね。」

伸樹君は嬉しそうに、笑っている。

きっと、私がお母さんに会う事、喜んでいるんだろうな。


「お母さんって、どんな人?」

「ああ……底抜けに、明るい人。」
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