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溺愛契約
第6章 伸樹君の家族
「はい。」

「だから、せめて子供を産める人と、結婚して欲しいんだ。」

黙っていると、伸樹君がたばこを買ってきた。

「早かったね。」

「ああ。香美さんを一人にしておけないだろ。」

伸樹君はそう言うと、私の隣に座った。

「いくら?」

「いいよ。お金は。」

何だか伸樹君が、怒っているような気がする。

「それで?孫が欲しいって?」

「なんだ。聞いてたんだ。」

私は伸樹君を見た。お母さんを真っすぐ見ている。

「40超えていても、子供を産む人だっているよ。そんな事で、香美さんを侮辱しないでくれないか。」

「ふふふ。」

お母さんは、買って来たたばこを一本取って、吸い始めた。

「今までは、お母さんの言う事、何でも聞いていたのにね。」
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