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おせっせのお作法
第1章 私の方が強い
 目を見ながらはいえなかった。うつむいて、いつもよりも小さな声でそういった。口に出せば予想以上に恥ずかしく、して欲しいことを察してよ、いわれなくても自分からしてよといい出したくなってしまう。
「いいよ」
 座っている私の首筋に彼は顔を近づけ舌を這わした。
 どこを舐めてといわなかった私が悪いのか。しかし、改めてどこをといい、その羞恥に耐える程の気力もなく、その穏やかな快感に身をゆだねた。
 舌は這い上がり耳の輪郭をなぞった。
 耳穴に入った舌先の立てるぼそぼそという音がいい音というわけではないが、耳をねっとり舐められるのには、なんともいえない快感があった。
 耳を離れた舌は首筋を通り過ぎ、鎖骨を通って乳房に行き着く。舌先で乳輪をなぞり、敏感になっている先端を突かれた。
 濡れた舌で乳首を舐め上げ、口に含まれ吸い上げられれば、指先で与えられる快感とは違う気持ちのよさに身がよじれて声が漏れてしまう。
 座って受け止めることができなくなり後ろに倒れると、私の足を開かせながら彼が覆いかぶさる。
「んぅ……、はぁ……あぁん」
 片方の乳首は指先で揉まれ、片方は舌がねっとりと絡み付いて、下の方がうずく。
 彼の腰が密着し、うずく下の口に大きく硬いモノが当たる。
 早くくわえ込みたいと腰が動き出してしまい、入り口やクリトリスを彼のモノが擦っていく。
 生で入れるのはよくない。そう思っているからこそ、生のまま擦りつけていることに興奮し、このまま入れて欲しい、奥深く突いて欲しいと切なくなってしまう。
 ふっと彼が腰を引き、足の間に座った。後ろに下がりながら屈んで、顔が股へと近付いていく。
 自分が望んでいたことなのに、彼が口付けようとしている部分の濡れようを想像し、足を閉じようと力を入れてしまう。
「嫌なら辞めようか?」
 力が入った足に反応して彼にそう聞かれ、私はただ首を横に振るだけで精一杯だった。
 彼の顔が黒い茂みに向かって下りていくのを見るのも恥ずかしくなって目をつむった。
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