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春雷に君
第2章 一夜明けて
何事かと思ったのもつかの間、激しく口づけられた。
「んっ! ちょ……いち……ざきく……んうっ」
いくら物陰でもここは屋外で、ヘタすれば誰かに見られる可能性がある。
――誰かに見られたら……。
だけど、そう思えば思うほどドキドキして興奮してしまう自分もいて、応えるように舌を絡めると市崎くんは嬉しそうに口元をゆるめた。
「ねぇ、首に痕つけたら怒る?」
「あと?」
「うん、キスマーク」
「……だめ。怒る……あっ……ちょ……どこに……」
「首がだめなら、胸かなって」
胸元に顔をうずめた市崎くんが谷間あたりに口づけて、じゅうううと音を立てて吸う。
「や……だめ……っ」
痛気持ちよさに背中がゾワゾワする。
ちゅぽんっと唇が離れたと思えば、「うーん」と市崎くんは納得いかないような声をもらす。
「ひとつじゃ足りないか」
つぶやいて再び胸元へ口づける。
最初とは違う場所を吸いながら、片手で乳首、片手でクリあたりを服の上から撫でられて膝が揺れる。
「まっ、あ……ああっ、さわっちゃ……や……っ」
必死に市崎くんにしがみついて首を横に振るけど、無駄な抵抗だった。
「藤崎……かわいい」
ちゅぽんっと胸元から離れた唇が私の唇にぶつかる。
れろれろと口内を探られて、市崎くんの唾液をくちゅりと流し込まれてゾクゾクする。
きゅっと乳首をつままれて、グニグニとクリをピンポイントに押しつぶされて快感が押し寄せてきた。
――うそ……私……イキそうになってる?
クリだけじゃイケないはずなのに、こんな場所なのに、と否定すればするほどゾクゾクした快感は強まって、もう少しでイケそう……! と思ったとき、市崎くんの動きが止まった。
――え……なんで……?
「バス来たよ。もう行かないと。おいで」
手を引かれてバス停に向かう。
クリとナカが疼いて歩きにくい。
「ひどい……」
「イキそうだった?」
コクンとうなずくと、市崎くんは意味深に口角を上げる。
「エッチな顔になってるから、家に着くまでメガネとマスクは外さないでね」
「うん……」
「俺に会いたくなったら、すぐ連絡してね」
「うん……?」
バスが出発するまで市崎くんは手を振ってくれていた。
マスクの下でさわやかに笑っているんだろうと思うと、ほんの少しだけ、むかついた。