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花の香りに酔う如く
第13章 カサブランカに惑う①〜沙羅
水野のお義父様を送って、
また、翌日の夜に迎えに来るという律さんの車で実家に送り届けて貰う。

車の中はみんな無言で、
私も何を話せば良いか判らなかった。


「養子って言っても、戸籍上のことだし、
就職先が決まってるだけだよ。
本人が継ぎたくないなら、継がなくても良い。
ほら、空君だってこれから結婚して、
子供出来るだろうし」と、
少し重たい空気を和らげようと、
住職様が笑う。


「子供…授かるかどうかも判らないし…」と俯いて言うと、

「2人、仲良くしてたら授かるだろう?」と言われて、
後ろから運転する律さんをそっと見る。

律さんは前を向いて、
無表情なままだった。



実家に戻って、
両親に今日された話をすると、

「まあ。
大きなお寺さんだから、
あれこれ大変なんでしょう?
でも、先のことだし…ね?」と、
ママが呑気な顔で言った。


実家のリビングにも、
大きな花器にカサブランカが生けてあって、
クラクラしてしまう。


セックスレス…
なんて話はとても両親には相談出来ない。

この前、酔った時、
久し振りに抱いて貰ったけど、
こんなことでコウノトリさんが来るとも思えない。


何より、
やっぱり私なんかでは物足りないのかなとか、
誰か、好きなヒトが出来たのかなと思うと、
ズキズキとこめかみが痛んでしまう。



「なんだか、頭痛がするの」と言って、
そのままにしてくれている自室で横になりながら、
月曜日に会ったママさんや、
お店にいた綺麗な女性達のことを思い浮かべてしまった。

まるで、カサブランカの香りのように華やかな女性達。




慧お兄様の離婚にも驚いてしまう。

律さんに、
私のことを言っていた慧お兄様の顔を思い出して、
頭を振る。

可愛いっていうのは、
やっぱりコドモっぽいってことなんだろう。


でも…ホストクラブ?
どうして?


お茶室にも来なかったし、
盆暮のご挨拶の時も、
ほとんど顔を合わすことがなかった慧お兄様のお嫁さんのお顔、
どうしても思い出せなくて、
考えていたらママさんのお店に居た派手な女性の顔になってしまった。



いけない。
明日も朝からお稽古を見ないといけないから、
早く寝なきゃ。


そう思いながらもなかなか寝付けなかった。

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