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花の香りに酔う如く
第14章 カサブランカに惑う②〜律
銀座のママさんから電話があって、
急いで着替えて沙羅ちゃんを迎えにいった。


沙羅ちゃんはソファにグデンと寝かされていて、
本当に驚いてしまったけど、
ママさんからの話にはもっと驚かされてしまった。

そして、こっぴどく怒られてしまったけど、
沙羅ちゃんは眠り姫のようにスヤスヤ眠っていたから、
勿論、その時の話は聞いてなかった。


沙羅ちゃんが泣いていた。
不安に思わせたらダメでしょう?


僕は訳が分からず、
「えっ?」と間抜けな顔をしてしまった。


「たくさん言葉で、
『愛してる』って言って、
その何倍も、抱き締めてあげないと。
他に好きな人出来たんじゃないかとか、
自分じゃ、物足りないのかと悩んでたわよ?」


そう言うと、
耳元で、
「ちゃんとセックスしなさい?
しない日もキスして、
ハグしてあげないと!」とママさんが囁く。


濃厚な香水は、
まるで飾ってある大輪の百合のような香りがして、
クラっとしてしまう。


「勃たなくなった訳じゃないでしょ?」と、
そっと股間に触れると、
立ち上がって、
「ほら?
お姫様をお城に連れて帰って、
キスしてあげないとね?」とママさんは笑った。


僕は沙羅ちゃんを抱き上げて、
店を後にして寺に向かった。



そして、ママさんに言われたからと言う訳ではないけど、
沙羅ちゃんを何度も抱いた。


小さく震えては恥ずかしそうに声を上げる沙羅ちゃんを抱いていると、
いくらでも奮い立って股間が硬くなってしまう。



こんな煩悩の塊で良いんだろうか?

そう思いながら眠って、
また、朝、起きて抱いてしまう。


自分でもよくわからないほど、
僕は沙羅ちゃんの虜になっているんだろうと感じた。
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