この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
花の香りに酔う如く
第14章 カサブランカに惑う②〜律
そして、実家から話があると言われて、
先に沙羅ちゃんが実家に行って、
合流した僕達は、
予想外のことを言われてしまった。


実家の父が若干、体調の衰えを感じているという話は、
母から聞いてはいたけど、
慧兄さんが本山に入ることは初耳で、
離婚したことも本当に驚いた。


同じ宗派とはいえ、観光寺の娘で、
贅沢で驚いているという愚痴は母から時折聞いていて、
それに引き換え、沙羅ちゃんは本当に慎ましくて、
何も欲しがらないと相談すると、
いつも母は溜息をついていた。


贅沢というのが、
あれこれ買い物をするというところまでは聞いていたけど、
まさか、ホストクラブに入り浸りで、
特定のオトコに貢いでいて、
男女の関係を持って、
妊娠したというのは、
言葉もなかった。

勿論、慧兄さんの子供ではないということだった。


この辺りのことは沙羅ちゃんには聞かせられなかったけど、
慧兄さんと2人で話をした。

「正直、夜、寝る時も化粧したままの妻を抱く気になれなかった。
それを、甲斐性なしと詰られたからな」と言われて、
なんて言えば良いかも判らなかった。


「それに比べたら、沙羅ちゃんのなんてピュアで可愛らしいことか。
本当に、律が羨ましいよ。
まあ、一回り離れていて、
赤ん坊の頃から、うちに来てたから、
妹としか思えなかったしな」としみじみ言われて、
自分はそんな妹みたいな沙羅ちゃんのことを、
ずっと邪な目で見てたのを密かに恥じた。


そして、
「男の子、出来たら、
下の子で良いから、うちの寺の養子になって貰えたら…」と、
静かに言われた。


実家からは、
茶道の家元を後々、沙羅ちゃんが継いで欲しいと言われて、
それも即答出来なかった。

沙羅ちゃん自身、
荷が重いことと感じているようだった。



一度、水野住職と寺に帰って、
翌日、実家に今度は一人で向かった。


なによりも、
沙羅ちゃんと話もしたかった。
/235ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ