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花の香りに酔う如く
第15章 月下美人で授かる①〜沙羅

婚約した時に律さんの実家から株分けして貰った月下美人は、
元々の私の部屋に置いていたけど、
なかなか花芽をつけないままだった。
でも、今年はようやく、
小さい蕾が着実に膨らんでくれていた。
「この花が咲いたら…」と、
ずっと密かに願を掛けるように世話をしていたので、
内心、震えるほど嬉しかった。
でも、過保護になってしまうと、
根腐れしたり、
蕾が小さいまま枯れてしまいそうだし、
願いは叶う前に口にしないようにしないとと思って、
毎日祈るような気持ちで過ごしていた。
日に日に少しずつ蕾はふっくらとしていった。
そして、その日の夜、開花するのがはっきり判るほどになっていた。
その日はちょうど出社する日だったので、
車の中で律さんに小さい声で言った。
「律さん、あのね。
今夜は私のお部屋で過ごしたいの」
視線は真っ直ぐ前に向いたまま運転していて、
「良いよ」と律さんは言ったけど、
本当にちゃんと話を聴いてたのかなと思うほど、
素っ気ない返事だった。
帰宅して夕食を取った後、
お風呂で身体を念入りに洗って、
丁寧にフランス製のオイルを身体に塗った。
「んー。
背中は届かないから、
律さんに塗って貰おうかな?」と呟いた。
元々の私の部屋に置いていたけど、
なかなか花芽をつけないままだった。
でも、今年はようやく、
小さい蕾が着実に膨らんでくれていた。
「この花が咲いたら…」と、
ずっと密かに願を掛けるように世話をしていたので、
内心、震えるほど嬉しかった。
でも、過保護になってしまうと、
根腐れしたり、
蕾が小さいまま枯れてしまいそうだし、
願いは叶う前に口にしないようにしないとと思って、
毎日祈るような気持ちで過ごしていた。
日に日に少しずつ蕾はふっくらとしていった。
そして、その日の夜、開花するのがはっきり判るほどになっていた。
その日はちょうど出社する日だったので、
車の中で律さんに小さい声で言った。
「律さん、あのね。
今夜は私のお部屋で過ごしたいの」
視線は真っ直ぐ前に向いたまま運転していて、
「良いよ」と律さんは言ったけど、
本当にちゃんと話を聴いてたのかなと思うほど、
素っ気ない返事だった。
帰宅して夕食を取った後、
お風呂で身体を念入りに洗って、
丁寧にフランス製のオイルを身体に塗った。
「んー。
背中は届かないから、
律さんに塗って貰おうかな?」と呟いた。

