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花の香りに酔う如く
第16章 月下美人で授かる②〜律

「…兄さん…?」
僕は息を呑んで固まってしまった。
慧兄さんは少し困った顔をして、
袂からハンカチ代わりの手拭いを出して涙を拭うと、
少しだけ笑って言った。
「それこそ、勃たないんだよ。
兄弟揃って、
困ったもんだよな?」
「えっ?」
慧兄さんは、二煎目のお茶を淹れてくれる。
そして、暫く茶碗の中のお茶を見つめていた。
僕は混乱してしまって、
なんて言えば良いのかも判らなかった。
「結婚生活で散々な目に遭ったからかな?
酷い女だったよ。
散々、浮気してたし、
それは、僕では物足りなかったからだと詰られて。
でも、押し倒していきなり、舐めてきたり、
股間を顔に押し付けてくるような、
なんていうか、慎みも恥じらいもないような女性は、
どうしても魅力は感じなかったから、
なかなか勃たなかったし、
離婚してからも、どうももう、女は懲り懲りでね」
僕は、慧兄さんが結婚していた相手の顔を、
思い出すことも出来なかった。
酷く濃い化粧と、
きつい香水の香りしか印象は残ってなかった。
「それに比べたら、
沙羅ちゃんは本当に優しくて、控えめで、
でも、芯が強くて。
律は幸せ者だよ」と、慧兄さんは笑う。
僕は思わず、
言ってしまった。
「沙羅ちゃんとなら、
きっと出来るよ。
それに、
兄さんとしてる沙羅ちゃんを観たら、
自分もちゃんと勃って、
出来るような気がする。
そんなこと言うの、どうかしてるのかな?」
慧兄さんは、冷めたお茶を飲み干すと、
「もう遅いから寝よう。
律、疲れてるんだよ。
おやすみ」と言って、
そのまま、客間から出て行った。
僕は、兄さんが淹れてくれたお茶を、
暫く見つめながら泣いていた。
月下美人の香りが、
まだ、僕に纏わりついていた。
僕は息を呑んで固まってしまった。
慧兄さんは少し困った顔をして、
袂からハンカチ代わりの手拭いを出して涙を拭うと、
少しだけ笑って言った。
「それこそ、勃たないんだよ。
兄弟揃って、
困ったもんだよな?」
「えっ?」
慧兄さんは、二煎目のお茶を淹れてくれる。
そして、暫く茶碗の中のお茶を見つめていた。
僕は混乱してしまって、
なんて言えば良いのかも判らなかった。
「結婚生活で散々な目に遭ったからかな?
酷い女だったよ。
散々、浮気してたし、
それは、僕では物足りなかったからだと詰られて。
でも、押し倒していきなり、舐めてきたり、
股間を顔に押し付けてくるような、
なんていうか、慎みも恥じらいもないような女性は、
どうしても魅力は感じなかったから、
なかなか勃たなかったし、
離婚してからも、どうももう、女は懲り懲りでね」
僕は、慧兄さんが結婚していた相手の顔を、
思い出すことも出来なかった。
酷く濃い化粧と、
きつい香水の香りしか印象は残ってなかった。
「それに比べたら、
沙羅ちゃんは本当に優しくて、控えめで、
でも、芯が強くて。
律は幸せ者だよ」と、慧兄さんは笑う。
僕は思わず、
言ってしまった。
「沙羅ちゃんとなら、
きっと出来るよ。
それに、
兄さんとしてる沙羅ちゃんを観たら、
自分もちゃんと勃って、
出来るような気がする。
そんなこと言うの、どうかしてるのかな?」
慧兄さんは、冷めたお茶を飲み干すと、
「もう遅いから寝よう。
律、疲れてるんだよ。
おやすみ」と言って、
そのまま、客間から出て行った。
僕は、兄さんが淹れてくれたお茶を、
暫く見つめながら泣いていた。
月下美人の香りが、
まだ、僕に纏わりついていた。

