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花の香りに酔う如く
第17章 伽羅の香りに包まれて①〜沙羅

律さんはそっと私の手を取って、
「紅くなってないかな?」と言うと、
手の甲にキスをしてくれる。
すっぽりと抱き締められている私は、
見上げるように律さんを見ると、
目尻に涙が光っているので、
私も涙ぐんでしまう。
「本当にごめんね。
気持ち良くしてやれなくて。
それに、これじゃあ、二人目なんて無理だからな。
毎回、実家で辛いだろう?」と、
背中を撫でながら静かな声で言う。
私は首を振って、
律さんの目を見て言った。
「私…こうしてるだけでも気持ち良いのよ?
キスして貰って、
抱き締めて貰って、
とても幸せです」
「ありがとう。
沙羅ちゃんは、優しいな。
でもね。
挿れようとして、萎えてしまうのを見るとさ。
本当に情けなくて…」と言葉を呑み込むようにしてる律さんは、
本当に辛そうで、
見ているのも辛くなってしまう。
そして、何より、
私と出来ないということが、
律さんの問題というより、
私では勃たない。
私には魅力がない。
そんな気持ちになってしまって、
自分でもどうしたら良いかも判らなかった。
体型も変わってしまった。
蓮くんのことばかりになっている。
相変わらず、お化粧もしてなくて、
髪を切りに行く暇もなくて、
着物の時以外は無造作に束ねているだけ。
部屋着も、コットンやリネン素材の、
無彩色なゆったりしたワンピースばかりで、
全然、可愛くもなくて、
女性らしさもない。
私、全然努力もしてなかった。
そう思うと、
律さんが私に対して何も感じなくなったのは尤もだと感じた。
家族っていうか、
空気みたいなもの。
だから、当たり前で、
異性として見れなくなったんだろう。
グルグルと考えているうちに、
眠気が襲ってくる。
深い深淵のような眠りにつく直前に、
律さんが口にした言葉は、
夢だったのか、
本当にそんなことを言ったのか、
よく判らなかった。
「慧兄さんとなら、
寝ても良いよ。
それで、子供を授かれるなら。
慧兄さんとヤッてるのを観たら、
ちゃんと勃って、
沙羅ちゃんに挿れられる気がする」
静かだけど、
意思が込められている呪文のような言葉が、
私の心の奥に沁み込んでいった。
「紅くなってないかな?」と言うと、
手の甲にキスをしてくれる。
すっぽりと抱き締められている私は、
見上げるように律さんを見ると、
目尻に涙が光っているので、
私も涙ぐんでしまう。
「本当にごめんね。
気持ち良くしてやれなくて。
それに、これじゃあ、二人目なんて無理だからな。
毎回、実家で辛いだろう?」と、
背中を撫でながら静かな声で言う。
私は首を振って、
律さんの目を見て言った。
「私…こうしてるだけでも気持ち良いのよ?
キスして貰って、
抱き締めて貰って、
とても幸せです」
「ありがとう。
沙羅ちゃんは、優しいな。
でもね。
挿れようとして、萎えてしまうのを見るとさ。
本当に情けなくて…」と言葉を呑み込むようにしてる律さんは、
本当に辛そうで、
見ているのも辛くなってしまう。
そして、何より、
私と出来ないということが、
律さんの問題というより、
私では勃たない。
私には魅力がない。
そんな気持ちになってしまって、
自分でもどうしたら良いかも判らなかった。
体型も変わってしまった。
蓮くんのことばかりになっている。
相変わらず、お化粧もしてなくて、
髪を切りに行く暇もなくて、
着物の時以外は無造作に束ねているだけ。
部屋着も、コットンやリネン素材の、
無彩色なゆったりしたワンピースばかりで、
全然、可愛くもなくて、
女性らしさもない。
私、全然努力もしてなかった。
そう思うと、
律さんが私に対して何も感じなくなったのは尤もだと感じた。
家族っていうか、
空気みたいなもの。
だから、当たり前で、
異性として見れなくなったんだろう。
グルグルと考えているうちに、
眠気が襲ってくる。
深い深淵のような眠りにつく直前に、
律さんが口にした言葉は、
夢だったのか、
本当にそんなことを言ったのか、
よく判らなかった。
「慧兄さんとなら、
寝ても良いよ。
それで、子供を授かれるなら。
慧兄さんとヤッてるのを観たら、
ちゃんと勃って、
沙羅ちゃんに挿れられる気がする」
静かだけど、
意思が込められている呪文のような言葉が、
私の心の奥に沁み込んでいった。

