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花の香りに酔う如く
第17章 伽羅の香りに包まれて①〜沙羅

慧お兄様とキスしたことは、
勿論、律さんには言えなかった。
でも、
伽羅の香りを嗅ぐ度に、
薄い唇と、
おずおずと優しく私の舌を探るようなキスを思い浮かべて、
動揺して、紅くなったりしていた。
浮気してしまったような気持ちにもなって、
律さんの顔を見るのが辛くなってもいた。
律さんとの関係はあまり変わらなかったけど、
実家や家元先生のところで、
第二子はということは言われなくなったのは、
多分、律さんが言ってくれたからだと思う。
それなのに、
そのことについても話すことが出来ないまま、
夏は終わって、秋も深まっていった。
勿論、律さんには言えなかった。
でも、
伽羅の香りを嗅ぐ度に、
薄い唇と、
おずおずと優しく私の舌を探るようなキスを思い浮かべて、
動揺して、紅くなったりしていた。
浮気してしまったような気持ちにもなって、
律さんの顔を見るのが辛くなってもいた。
律さんとの関係はあまり変わらなかったけど、
実家や家元先生のところで、
第二子はということは言われなくなったのは、
多分、律さんが言ってくれたからだと思う。
それなのに、
そのことについても話すことが出来ないまま、
夏は終わって、秋も深まっていった。

