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花の香りに酔う如く
第17章 伽羅の香りに包まれて①〜沙羅
慧お兄様が唇を離したかと思うと、
もう一度、今度は舌先を滑り込ませるように、キスをする。

優しく私の舌を探して、
そっと絡め合う。

握り締めた手の指先を絡め合うのと、
舌の動きがシンクロしているようだった。

でも、激しさはなくて、
とにかく優しいキスに、
気づくと無意識のうちに私も応えるようなキスを返していた。


遠く離れた本堂の柱時計の音が聴こえて、
ハッとしてしまう。

お兄様はそっと唇を離して、
抱き締めたまま、

「ごめん。
沙羅ちゃんが愛おしくて。
これ、兄妹のキスじゃないよね?」と言う。


二人の心臓の鼓動が早鐘のようになっているのを感じて、
お兄様にしがみついてしまう。



「律がさ。
このままだと、子供、出来ないから、
沙羅ちゃんと寝てくれって言うんだよ」

「えっ?」

「でも、出来ないって言った。
あ、気持ち的にはね、
沙羅ちゃんのこと、大好きなんだよ。
勿論、律のお嫁さんってこともあるけど、
物理的に出来ないんだ」と、
私の手を股間に持っていく。


「ねっ?
散々な思いをした結婚生活で、
全然勃たなくなってさ。
兄弟揃って、不甲斐ないな。
でも、まだ、律は勃つって言ってたし、
ほら、薬とかもあるから、
なんとかなるよ」と、
複雑な顔でお兄様は笑って私の髪を撫でた。



「こんなにキスしても勃たないんだから、
もう、枯れちゃったのかもな。
まあ、ひとつ煩悩がないだけでも良いことなのかな?」と笑う。


「私が…魅力的でないからじゃないですか?
慧お兄様も、律さんも…」と言葉にすると、
あまりにも哀しくて、
また、涙が出てしまう。


慧お兄様は少し慌てて、

「そんなこと、ないから。
結婚生活で、とことん、嫌な思いしたからかな?
なんか、全然ダメで。
律は、勃つけど、
いざ、挿入って時にダメになるって言ってたのは、
子供、子供ってプレッシャー掛けられてるからじゃないのかな?
あるいは、
沙羅ちゃんが好き過ぎて、ダメなのかな?
まあ、のんびりマイペースで過ごしてみたら?
京都にもおいで?
案内するよ。
良い宿やホテルもあるし、
ちょっと足を伸ばせば温泉もあるし。
日本海側に、
蟹でも食べに行くのも良いかも。
蓮くんを預けてのんびりすると良いよ」と言ってくれて、
私はそっと頷いた。
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