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花の香りに酔う如く
第18章 伽羅の香りに包まれて②〜慧

初めて沙羅ちゃんと会ったのは、
僕が中学生で、
沙羅ちゃんは産まれたばかりの赤ちゃんだった頃だった。
正確に言うと、
まだお腹の中に居た時にも、
よく沙羅ちゃんのお母様は母の処に遊びに来ていたから、
産まれる前から会っていたのかもしれない。
律が産まれた後、
母は3人目を授かって、
「今度は妹が産まれるのよ?」と、
嬉しそうにお腹を撫でていたけど、
「ダメだったの」と泣いていたのを今でも覚えている。
その頃、律を産んだ時に病院で一緒だったという、
小柄で可愛いおばさんが、
よく、子供連れで遊びに来ていたのが、
沙羅ちゃんのお母様だった。
律とその子供、沙羅ちゃんのお兄さんのことだけど、
2人で遊んでいるのを、
時々、一緒に遊んでやることもあった。
今にして思うと、
子供を亡くした母のことを気遣って来てくれてたのと、
お茶のお稽古に来ていたんだろう。
3年くらいして、
母のお腹がまた、大きくなった。
結構な高齢出産だからと、
父が心配していたけど、
「女の子が欲しいから」と母は笑っていた。
沙羅ちゃんのお母様も、
同じ時期に子供が出来たらしく、
お茶のお稽古以外にも、
上の子が幼稚園に行っている間に遊びに来ては、
フワフワした毛糸で何かを編んだりして、
母と楽しそうにお喋りをしていた。
そうして、一日違いで、
弟の空と、沙羅ちゃんが同じ病院で産まれた。
病院で母は、
「女の子、羨ましいわ!」と沙羅ちゃんを見て笑っていたけど、
「まあ、男の子も可愛いけどね?」と、空のことを抱っこしていた。
空は、身体も泣き声も最初から大きくて、
女の子が欲しいと言っていた母の希望とは真逆の、
腕白でガキ大将のように育っていった。
だから、殊更、沙羅ちゃんのことが可愛かったらしくて、
沙羅ちゃんを連れて沙羅ちゃんのお母様が遊びに来るのをとても喜んでいた。
勿論、僕も律も、
フワフワと柔らかくて愛らしい沙羅ちゃんのことは大好きで、
沙羅ちゃんを妹みたいに可愛がっていた。
僕が中学生で、
沙羅ちゃんは産まれたばかりの赤ちゃんだった頃だった。
正確に言うと、
まだお腹の中に居た時にも、
よく沙羅ちゃんのお母様は母の処に遊びに来ていたから、
産まれる前から会っていたのかもしれない。
律が産まれた後、
母は3人目を授かって、
「今度は妹が産まれるのよ?」と、
嬉しそうにお腹を撫でていたけど、
「ダメだったの」と泣いていたのを今でも覚えている。
その頃、律を産んだ時に病院で一緒だったという、
小柄で可愛いおばさんが、
よく、子供連れで遊びに来ていたのが、
沙羅ちゃんのお母様だった。
律とその子供、沙羅ちゃんのお兄さんのことだけど、
2人で遊んでいるのを、
時々、一緒に遊んでやることもあった。
今にして思うと、
子供を亡くした母のことを気遣って来てくれてたのと、
お茶のお稽古に来ていたんだろう。
3年くらいして、
母のお腹がまた、大きくなった。
結構な高齢出産だからと、
父が心配していたけど、
「女の子が欲しいから」と母は笑っていた。
沙羅ちゃんのお母様も、
同じ時期に子供が出来たらしく、
お茶のお稽古以外にも、
上の子が幼稚園に行っている間に遊びに来ては、
フワフワした毛糸で何かを編んだりして、
母と楽しそうにお喋りをしていた。
そうして、一日違いで、
弟の空と、沙羅ちゃんが同じ病院で産まれた。
病院で母は、
「女の子、羨ましいわ!」と沙羅ちゃんを見て笑っていたけど、
「まあ、男の子も可愛いけどね?」と、空のことを抱っこしていた。
空は、身体も泣き声も最初から大きくて、
女の子が欲しいと言っていた母の希望とは真逆の、
腕白でガキ大将のように育っていった。
だから、殊更、沙羅ちゃんのことが可愛かったらしくて、
沙羅ちゃんを連れて沙羅ちゃんのお母様が遊びに来るのをとても喜んでいた。
勿論、僕も律も、
フワフワと柔らかくて愛らしい沙羅ちゃんのことは大好きで、
沙羅ちゃんを妹みたいに可愛がっていた。

