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花の香りに酔う如く
第20章 沙羅双樹の想い①〜沙羅
あの夢の中のように律さんと慧お兄様に愛された後、
授かって、大切に育んで出産した二人目の子供も男の子だった。


名前は、智(とも)になったのは、
慧お兄様に因んでいた。


二人の名前を繋ぐと、智慧(ちえ)になる。

どの名前も、仏教に因んだ名前になっている。


本山に居たお兄様は、
家元先生の代わりにお寺を継ぐ為に戻り、
家元も継ぐことになった。

私はそのまま、
副家元として、茶道に於いてはお兄様をサポートしていくことになった。


律さんと二人、
茶道のお稽古の為に毎週実家のお寺に戻ることは変わらなかったし、
逆に、時にはお兄様が東京のお寺に来てくださることもあった。



私達三人は、
お互いに信頼し合い、
尊敬し合い、
そして心から愛し合っていた。

愛し合うと言っても、
勿論、会う度に毎回、肌を合わせる訳ではなかった。

でも、お兄様の住まう新宅として建てられた家や、
子供達を実家で見て貰える時に、ホテルに行って、
二人にたくさん、愛して貰った。


「上品なホテルだと、声、我慢しないといけないでしょう?」と笑われて、
ラブホテルに行く日もあれば、
とても夜景が美しいみなとみらいのホテルで、
声が出ないように猿轡のように手拭いを口に巻かれて、
背徳的な気持ちで抱かれることもあった。




ご実家に戻られたこともあって、
お兄様は再婚されるのかと思っていたけど、

「僕が愛しているのは、
沙羅ちゃんだけだから」と言って、
再婚することもなかった。

智くんのことも、蓮くんのことも、
とても可愛がってくれていた。



勿論、律さんも変わらず、
私のことを愛してくれていた。

それでも、律さんと私が身体を合わせるのは、
お兄様がいらっしゃる時だけだった。



「沙羅は僕達の天使だよ?
それに、こうしないと勃たないから」と、
律さんは笑って、
慧お兄様に抱かれる私を観ながら、
背中から抱き締めてキスをする。


「年齢的に勃たなくなっても、
ずっとキスして、抱き締めたい。
沙羅ちゃんのこと、
気持ち良くしてあげたいから、
身体中、舐めてあげたいな」と言って、
慧お兄様は私に声を上げさせる。


私はそんな二人に愛されて、
どちらのことも深く愛するようになっていた。
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