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花の香りに酔う如く
第3章 モッコウバラのキス①〜沙羅
虎屋さんで空港限定の羊羹を2棹買って帰宅すると、
珍しいことに家元先生と奥様、
それに水野住職と律お兄様がいらっしゃっていた。


「おかえりなさい」と声を掛けたママに、

「どうしてこんなにお客様がいらっしゃってるの?」と訊くと、
少し戸惑ったような顔をして笑った。


客間に入って、
「いらっしゃいませ」とお辞儀をすると、
皆さまがニコニコしながら、
「沙羅ちゃん、おかえりなさい」とか、
「空のこと、見送りしてくれて、ありがとう」と言われて、
座るように促された。



「あの…?」と言うと、

「沙羅ちゃん、合格おめでとうね?」と、
家元先生の奥様がニッコリする。


「空は、沙羅ちゃんみたいに賢くなかったから、
札幌に飛ばされたな」と、
家元先生は笑いながら言う。


「やだ。
そんなことは…。
空くん、夏まで部活してたんですもの」


「いやいや。
律と同じ赤門とは、
本当に凄いよ」と家元先生に言われて、
なんだか恥ずかしくて律お兄様を見て紅くなってしまった。


「それでね。
ここから通学だと時間も掛かるし、
電車は物凄く混んで、その…、心配だから、
水野の寺に寄宿したらどうかと思ってね?」と、
家元先生が思い掛けないことを言った。


「えっ?」


パパとママも、頷きながら、
「それを聞いて、本当に有り難くて。
一人暮らしさせるのは心配だし、
パパと一緒に運転手の車で送り迎えだと過保護じゃない?」
と、ママが言った。


「うんうん。
一人暮らしなんて、
パパはとても心配で認められないよ?
でも、律くんの居るお寺だったら、
安心してお任せ出来るよ」
と、パパも言う。


「でもね。
少し、心配もありまして…。
こちらはわたくしがカトリックだったこともあって、
仏教のこと、何も知らない子なので、
寄宿させていただいてもお役に立てるかしら?」
とママが言うと、

家元先生は、
「宗教なんて関係ないですよ?
あ、寺の住職らしくないことを言うようですが、
きちんと躾をされているのは良く存じ上げているし、
子供の頃から習っている茶道や華道の基本は仏教に通ずるものがありますから」と微笑んだ。
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