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花の香りに酔う如く
第8章 金木犀の香りほどの不安②〜律
翌週の土曜日に、
いつものように車で僕の実家の寺に沙羅ちゃんを送る時、
水野住職も同行した。


僕の両親は、とても喜んでくれていて、
お稽古に来た沙羅ちゃんのお母様とお祖母様に、
先にお話しすることにした。

2人も喜んでくれて、
宗教のことも、
「それより2人の気持ちが大切でしょ?」と言ってくれた。


翌日、沙羅ちゃんの実家に行くと、
お父様と僕と同級生でもある沙羅ちゃんの兄も家で待っていた。


結論から言うと賛成はしてくれたけど、
「卒業までは沙羅の純潔を護って欲しい」と、
お父様がキッパリと言った。


「勿論です」と言うと、
同級生でもある沙羅ちゃんの兄が、
「それ、可哀想じゃない?
一つ屋根の下に住んでるのにさ」と言った。


お父様は、
「だからこそ、
そうして欲しいと言っているんだ」と、
口をへの字に曲げて言った。、


気持ちは解る。

だから、
「沙羅ちゃんを大切に想っているので、
お約束します」と言った。





日曜日の教会もその日が最後ということになった。

僕も神父様とお話をしたけど、
とても穏やかに、
「いつでもいらっしゃい。
神様も仏様も、
みな根源はひとつでしょう」と言われた。



こうして、交際を認められた僕達の新しいステップに脚を踏み出すことになった。

とはいえ、たいして生活そのものは変わることはなかった。


金木犀の花はすっかり落ちてしまって、
常緑の葉の色が濃くなっていったように感じた。



空気も鋭さを増すように冷えていって、
あっという間に師走になった。




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