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花の香りに酔う如く
第9章 イランイランの誘惑①〜沙羅

「お会いしてから1年以上経つのに、
良く私のことを覚えてましたね?」と言うと、
「あら。
沙羅ちゃんもわたくしのこと、
良く覚えてたわよね?
しかも、着物じゃなかったのに」と笑う。
「声で判りました。
確かに髪を下ろしているから、
全然雰囲気が違いますね?」
「沙羅ちゃんは全然変わってないのね。
お化粧もしてないし、
髪もサラサラとバージンヘアで…」と言われて、
なんだか恥ずかしくなってしまう。
「子供っぽいですよね?
お化粧、好きじゃなくて…」
「化ける為のモノだから。
沙羅ちゃんは、化けなくても可愛いから、
良いんじゃないの?
水野先生も、律さんも、
沙羅ちゃんに夢中でしょう?」
「えっ?
そんなことは…」
「えっ?」
「律さん、キスはしてくれるけど、
それ以上はしてくれないんです」と口にすると、
ポロリと涙が出てしまった。
「あらあら」と言いながら、
ママさんは汕頭刺繍の白いハンカチで、
私の涙をそっと拭いてくれる。
「結婚を前提にお付き合いすることになったのに、
私の父が、律さんに…。
私の純潔を結婚するまで守ることって言ったから、
本当に律さん、何もしてくれないんです」と言うと、
ママさんは少しポカンとした後、
鈴のような声で笑った。
「とても大切に想っているってことじゃないかしら?
可愛くてしょうがないくらいじゃない?」
「でも…。
空くんが…。
あ、律さんの弟で、
私の同級生なんですけど、
よく、我慢出来るなって言って…。
他の女の人で発散してるんじゃないのって、
揶揄うんです」
「まあ、生理的な欲求はあるかもしれないけどね?」
「やっぱり…。
それで、私がお手伝いしましょうかって言ってみたら、
見たらグロテスクで怖くなるから、良いよって…。
あ、ごめんなさい。
変な事、言って…。
こんなこと、誰にも言えなくて…」
と言いながら、
頬が紅くなっているのを感じた。
そして、冷めた紅茶を慌てて飲むと、
ブランデーのせいで余計に顔どころか、
耳や胸元まで紅くなってしまった。
良く私のことを覚えてましたね?」と言うと、
「あら。
沙羅ちゃんもわたくしのこと、
良く覚えてたわよね?
しかも、着物じゃなかったのに」と笑う。
「声で判りました。
確かに髪を下ろしているから、
全然雰囲気が違いますね?」
「沙羅ちゃんは全然変わってないのね。
お化粧もしてないし、
髪もサラサラとバージンヘアで…」と言われて、
なんだか恥ずかしくなってしまう。
「子供っぽいですよね?
お化粧、好きじゃなくて…」
「化ける為のモノだから。
沙羅ちゃんは、化けなくても可愛いから、
良いんじゃないの?
水野先生も、律さんも、
沙羅ちゃんに夢中でしょう?」
「えっ?
そんなことは…」
「えっ?」
「律さん、キスはしてくれるけど、
それ以上はしてくれないんです」と口にすると、
ポロリと涙が出てしまった。
「あらあら」と言いながら、
ママさんは汕頭刺繍の白いハンカチで、
私の涙をそっと拭いてくれる。
「結婚を前提にお付き合いすることになったのに、
私の父が、律さんに…。
私の純潔を結婚するまで守ることって言ったから、
本当に律さん、何もしてくれないんです」と言うと、
ママさんは少しポカンとした後、
鈴のような声で笑った。
「とても大切に想っているってことじゃないかしら?
可愛くてしょうがないくらいじゃない?」
「でも…。
空くんが…。
あ、律さんの弟で、
私の同級生なんですけど、
よく、我慢出来るなって言って…。
他の女の人で発散してるんじゃないのって、
揶揄うんです」
「まあ、生理的な欲求はあるかもしれないけどね?」
「やっぱり…。
それで、私がお手伝いしましょうかって言ってみたら、
見たらグロテスクで怖くなるから、良いよって…。
あ、ごめんなさい。
変な事、言って…。
こんなこと、誰にも言えなくて…」
と言いながら、
頬が紅くなっているのを感じた。
そして、冷めた紅茶を慌てて飲むと、
ブランデーのせいで余計に顔どころか、
耳や胸元まで紅くなってしまった。

