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ただ一緒に居たいだけ
第18章 別れと始まり

その日のことは、深い霧に沈んでしまっているように、
殆ど記憶がなかった。
断片的なことしか覚えていない。
「ママ?
健パパ、寝てるよ?」という恵吾さんの困惑した声。
私の悲鳴。
「健パパ、どうしたの?」というおっとりした恵吾さんの声。
「ママ、どうしたの?
どこか、痛いの?」と、
私の涙を拭う恵吾さんの手の感触。
救急車の中でも上手く話も出来なくて、
ギュッと握ってくれる恵吾さんの小さな手。
慎吾さんが駆けつけてくれて、
お医者様と話をしているけど、
何を言ってるかも理解出来なくて、
「それで良いよね?」と慎吾さんが言って、
私は曖昧な顔で頷いた。
そして、気付いたら、
喪服を着て葬儀場に居た。
機械的にお辞儀をして、
後はずっと恵吾さんに手を握って貰っていたことしか覚えていない。
少し温かい骨壷
優しい笑顔の遺影
立派な戒名の書かれた位牌
3人でそれを持って、
自宅に帰った。
東京から来てくれた渉さんとメイちゃんも、
自宅まで来てくれていたけど、
座っていることも辛くて、
私はいつも健吾さんと寝ていたベッドに横になって、
泣きながら眠っては、
また目が覚めて泣いた。
心配した恵吾さんが気づくと一緒に寝てくれていて、
何度も髪を撫でてくれた。
殆ど記憶がなかった。
断片的なことしか覚えていない。
「ママ?
健パパ、寝てるよ?」という恵吾さんの困惑した声。
私の悲鳴。
「健パパ、どうしたの?」というおっとりした恵吾さんの声。
「ママ、どうしたの?
どこか、痛いの?」と、
私の涙を拭う恵吾さんの手の感触。
救急車の中でも上手く話も出来なくて、
ギュッと握ってくれる恵吾さんの小さな手。
慎吾さんが駆けつけてくれて、
お医者様と話をしているけど、
何を言ってるかも理解出来なくて、
「それで良いよね?」と慎吾さんが言って、
私は曖昧な顔で頷いた。
そして、気付いたら、
喪服を着て葬儀場に居た。
機械的にお辞儀をして、
後はずっと恵吾さんに手を握って貰っていたことしか覚えていない。
少し温かい骨壷
優しい笑顔の遺影
立派な戒名の書かれた位牌
3人でそれを持って、
自宅に帰った。
東京から来てくれた渉さんとメイちゃんも、
自宅まで来てくれていたけど、
座っていることも辛くて、
私はいつも健吾さんと寝ていたベッドに横になって、
泣きながら眠っては、
また目が覚めて泣いた。
心配した恵吾さんが気づくと一緒に寝てくれていて、
何度も髪を撫でてくれた。

