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ただ一緒に居たいだけ
第20章 エピローグ
大きな歓声と拍手。

美しい花束を渡された恵吾さんは、

「ママー!!」と言って舞台袖に走って戻って来て、
私にそれを渡してくれる。


指揮者の方とコンサートマスターの方が迎えに来てくださって、
恵吾さんと私と慎吾さんを舞台の真ん中にエスコートしてくださる。


鳴り止まない拍手とアンコールに応えて、
慎吾さんは私をピアノの横に引っ張っていって、

「ママのゆりかご」
と呟くように言うと、
即興で新しい曲を弾き始めた。



とても優しくて温かい曲に、
私は涙を浮かべてしまった。





恵吾さんは18歳で大きな国際的なピアノコンクールで銀賞を受賞して、
そのまま、ニューヨークに留学することになった。

恵吾さんと私も仕事なんかを調整して、渡米して、
一緒に暮らしている。


日本に行くより余程近いからと、
そこに私の両親も訪問してくれたりして、
それまで以上に家族の時間をたくさん持つことが出来た。

長い休みには、
渉さんとメイちゃんが、
一人娘を連れて遊びに来てくれたりもした。


ニューヨーク暮らしは、
周りを気にするようなヒトも殆ど居なくて、
私達に対する非難めいたことを言うヒトも居なかった。


東洋人の年齢は判りにくいみたいで、
私と慎吾さんは普通の仲の良い夫婦に見えるようだった。


そんな中で恵吾さんは、
それまで以上にのびのびと音楽に取り組むことが出来て、
音楽家としてのキャリアを順調に積んでいった。


また、慎吾さんに似たのか、
絵を描く才能もあって、
慎吾さんは商業デザイナーとして、
恵吾さんは画家として、
脚光を浴びていた。


そして私は、
海外在住のエッセイストとして、
いくつかの書籍を出版しながら、
恵吾さんのマネジメントもしたり、
即興で弾く曲を譜面に残したりしていた。


勿論、この日の『ママのゆりかご』という曲も、
丁寧に譜面に残した。
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