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先生の言いなり
第4章 - Ep.3 ホコウ -
今日は終業式、一学期が終わる。
通知表が返却され、喜ぶ生徒やショックを受ける生徒等様々。
担任から夏休み中粗相を起こさないようにとクラス全体に注意が呼びかけられるも、明日からの長期休みにクラスメイトたちは騒がしく、担任の声なんか聞こえてないといったようだ。

そして、チャイムが鳴れば1人、また1人と帰路または部活動へと消えていく。
どこの学校もこんなものなのかと思う反面、自身の通う学園の知能の低さに見て呆れる。
担任もこの様子を半ば諦めるように教室から出て行った。


30分もすれば、残るは数名まで減って行きグラウンドから掛け声が聞こえ始める。



「文っ、部活行こう!」

美冬から声がかけられる。

「あ。ごめん。沢渡先生のところ行ってから行くから遅れてく今日」

「ありゃま。明日からの補講のことか」

「うん、そう。終業式の後教室戻る時に声かけられて」

「あーね、文が補講とか超ウケるんですけど。わざとだったりして」

「なわけ、まぁ、部活は行くから先行っててー」

「了解、じゃぁまた後で!」


美冬の言葉にドキリと心臓が震えるも、愛想笑いを浮かべ彼女に手を振って見送る。

静かな校舎内。
スクールバッグを肩にかけて、小さく息を吐けばあの日教えてくれた場所へと足を運んだ。




「えっと、ここであってた…はず」



東校舎、3階。1番奥の部屋。
滅多に人が来ない場所、まるで隠し部屋とも言えるような。
扉にもどこにも誰の、何の部屋なのかは書かれていない。
ノックをして、中から聞き覚えのある声が聞こえればホッと胸を撫で下ろす。




「沢渡先生、失礼します。3年××組の成海文です」

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