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第2章 － Ep.1 キッカケ －

「お前なぁ〜…まぁ、次は頑張れよ」

そう告げ、先生は私の頭を撫でる。
そんな先生の手を払い除けニッコリと笑顔を向ける。

「当たり前です」

可愛くない一言を告げて、自分の席に戻る。
席に戻って先程取ってしまった態度に自己嫌悪。

「(もっと言い方あったよなぁ)」

ポツリと呟いて98点の答案用紙を４つに折り畳みクリアファイルに挟みそのまま机へとうつ伏せた。

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案の定50分の授業時間はテスト返却だけで時が過ぎ、テストの見直しは次回の授業へと見送りとなった。
終礼の挨拶をして先生が教室を出て行く。
それを追い掛けるように、教室を出て行く女子生徒が数名。
あんな風に行動に移せたら拗らせてるこの思いなんかも軽くなるんだろうか…。
そんなことを考えながら首を横に震る。
所詮「教師」と「生徒」 キッカケになる何かが無い限り、先生と関係を持つことなんかない。

言い聞かせるように気持ちを押し殺し、その日も何事もなく放課後を迎えた。