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先生の言いなり
第7章 - Ep.6 コタエアワセ -
「ありがとうございます」

震える声で告げ 先生に向かって笑顔を向ければ、不意に目線が合いそのまま唇が重なった。

「さてと、行くか」

「あ、はいっ」

唇が離れ、サイドブレーキを上げてギアをドライブに入れる先生。
慌てて私もシートベルトを閉める。オーディオからラジオが流れる。
膝の上にカバンを乗せて外の景色を眺めていればスピードも少しずつ上がっていく。
運転する先生をちらりと見つめれば相変わらずカッコイイ。

「あの…私以外の女の子ともこうして出掛けることってあるんですか?」

「あ?」

ふと口から漏れ出た言葉、めんどくさい彼女みたいな。
言ったあと自己嫌悪。

「やっ、違っ…すみません…なんでもないです」

慌てて言葉を繋ぎながら俯けば隣から「まぁ、誘われればな」と答えが返ってきた。分かってはいたが、勝手に傷つく私。

「そう、なんですね」

苦笑いを浮かべて、また無言になる。
聞かなければよかったと後悔していれば先生は続ける。

「安心しろ、それ以上のことは何もないから」

それはどういう意味なんだろう。
私にしてるみたいな えっちなことを他の子にはしてないということなんだろうか。
なんて私は単純なんだろう。その言葉を聞いてモヤモヤが晴れていく。

「そういえば、今日は大丈夫なのか?」

「え…あっ、はい! 一昨日よりは平気です」

「そうか。しかしまぁ、苦労してるんだな。女子は」

正面を向いたまま先生が言う。

「でも先生だって苦労してることあるでしょ」

「俺?あー…そうだなぁ。最近の女子高生のスカート丈如何なものかと思うぞ。短すぎる。あとブラウスの第二ボタンまで開けてるのは誘ってるのかと勘違いする」

「それは常にそこに視線が行くってことですか?」

「当たり前だろ、男なんてそんなもん」

「サイテー…」

信号待ちで車が止まり目線が合えば2人して爆笑。
こんな何気ない会話が生理の痛みなんて忘れてしまうくらい楽しい。
このまま時間が止まればいいのになんてすら思ってしまう。
しかし、時間は有限。有限だからこそ今を大切にしようなんて人は思うのかもしれない。
それから車は30分くらい走って、水族館に到着した。
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