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すぐ読める官能小説集
第3章 今夜は甘々で
「先輩。あんまり、坂田部長に楯突かない方がいいですよ。世の中、うまーく立ち回るのが吉です」

「わかってる。そんなの。でもできないの。性格上」
櫛で髪をとかしてもらいながら、坂田部長に説教された件についてしもべからありがたい忠告を聞く。

「オレも先輩の性格なんてわかってますけど、心配なんですよ。先輩が……オレも先輩に助けられてますし」

しもべの言葉に、ドキッとする私。
しもべは、やっぱり言葉が上手い。

それにしもべのボイスは、高めのかわいい系ボイス。
そんなボイスでそんなこと言われたら……。

「先輩って、今日みたいに、オレのこと呼びつけたりして性格とか態度はSなのに、要求してる内容は全部Mっぽいですよね?」

私は、後ろで髪をとかしてるしもべの方を振り向いた。
しもべは、真剣な顔をして私を見つめてる。

『なんでそこで、真面目な顔するの?』
その真剣な瞳が、私を見つめてると、素直になれないだけの私が丸裸になったみたいに思えてくる。

「う……うるさいな。髪とかせた?」
話を逸らして、カラダを向き直した。

「そうやってはぐらかす。まあ。いいですけど……髪はちゃんととかせましたよ。鏡、取りに行きますね」
「あ!! 鏡なら大丈夫」
私はスマホを取り出して、カメラ起動した。
そして、自分の方にアングルを向けた。

「こうすれば鏡の代わりになる」
「先輩って横着っすよね」
カメラには、髪がとかされた私の顔としもべの呆れた顔が映ってる」

「先輩……かわいいです」
いつもの高めのかわいい系ボイスじゃない。
低めのボイスで、そう囁かれた。

そして、カメラには私の赤くなった顔がバッチリ映っていた。
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