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すぐ読める官能小説集
第3章 今夜は甘々で
「先輩。顔……赤いっす」
バレた。(カメラを自分に向けてるんだから、当たり前)

「先輩に、かわいいとかいわないの!!」
私はすぐに、カメラの起動をやめてスマホを伏せた。

「だって今は、仕事中じゃないです。プライベートでみんなにはナイショで会ってる。しかもご主人様としもべって関係で……」

それはしもべの言う言葉じゃない。
でも胸は明らかに、高鳴ってる。

私はしもべの攻勢をかわそうと、テーブルに置いてあるビニール袋を見た。

「アレ……なに買って来てくれたの?」
「また、話を逸らした。あーテーブルに置いてあるのは、水とつまみですね」

「ちょっと、待って……チョイスおかしくない? なんで水とつまみなのよ」

「いや……だって、先輩。お酒は冷蔵庫に一杯あるでしょ。だから、買わなかったんですよ」
しもべは、ビニール袋から水を取り出した。

「ハイ。先輩」
ペットボトルが、放物線を描きながら私に向かって投げられた。

私はそれをキャッチした。
「先輩。ナイス」
そう言って、サムズアップをするしもべ。

『またしもべのペースになってる』
主導権はあくまでもご主人様、私。

「ナイスじゃない。危ないじゃない。ケガしたらどうするの?」

しもべは笑った。
「ケガなんかしないっすよ。そのペットボトル柔らかい材質ですから」

『なに爽やかに笑ってるのよ』
その爽やかな顔を見てたら、こっちまでニヤケちゃう。

私は落ち着くために、ペットボトルを開けて水を飲む。
「私を危険な目に遭わせようとしたバツとしてコッチ来なさい」
ハイハイって顔をしながら、ソファーに座るしもべ。
隣りに座ったしもべに私は告げた。

「バツとして、太もも貸しなさい。膝枕の刑」
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