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すぐ読める官能小説集
第3章 今夜は甘々で
重なり合う唇は、さっきまでのごっこ遊びの関係を無効にした。

そして、無効になった関係性はもう元には戻らない。
しもべ……後輩は、硬く閉じていたはずの、唇をこじ開けて舌を侵入させてきた。
私はなすすべもなく、侵入してきた後輩の舌を受け入れた。

舌が絡みあって、「ピチャピチャ」と音をたてる。
その水音だけが静かな部屋で流れてる。

私は、後輩の舌を受け入れると同時に目を閉じていたから、よりその音が大きく聞こえる。
そして、絡みあっていた舌がほどけた。

目を開けると、透明な糸が私たちの舌を繋いでいた。

「先輩。これで素直になれそうっすか?」
私は何も答えず、後輩の顔をボーッと見てる。

後輩はさっきと同じ、私の苦手な視線を向けてる。
「し……」

ごっこ遊びは終わったのに、またそこに戻ろうとする私がいる。
でも、後輩の視線はそれを許さない。

『甘えたい……』
私の心が素直にそう言ってる。

「ねえ。アソコ。舐めて……」
唐突なセリフだと思った。
でも……。

「やっと素直になれそっすね」
後輩はニコリと笑った。
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