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4畳半でスワッピング
第17章 3回戦

そんなことあり得ないと、僕は断じて否定しました。

あり得るかもしれないという疑念と、裏切りの焦燥と嫉妬を打ち消すために、自分の心に向けて否定して言葉にしました。

「そんなこと、絶対にあり得ないよ……」

「どうしてあり得ないって言えるのよ。まあ確かに、冬彦にそんな事ができる器量はないね。だけど桃代は……」

「桃代にだって、そんな器量はないよ」

その時僕は、ふっと頭をかすめたのです。
春菜さんならばどうだろうかと……、
そもそもこんな事になったのは、春菜さんの大胆な発想から始まったのだから。

「まさか桃代は、春菜さんにそそのかされて……」

「それはないよ。今回は、春菜さんにメリットは何もないんだから。他人にスワッピングを煽ったところで、面白くもないし、得にもならないわ」

「そっか……、そうだね。そういえば桃代が僕に話を持ちかけた時、なんだか声が上ずってたかなあ……」


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