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4畳半でスワッピング
第3章 きっかけ

洗濯物を干し終えて、桃代は隣家のドアのインターホンをピンポンと鳴らします。
「はーい、どうぞ上がってくださいな」
玄関のドアが開かれて、キッチンから4畳半の部屋に通されると、真ん中にコタツテーブルが置かれています。
鉄筋3階建てアパートの間取りはみんな同じで、4畳半と6畳の2間にキッチンとバス・トイレが付いた2DKです。
桃代がコタツテーブルに正座して座ると、春菜さんがインスタントのコーヒーを淹れてくれます。
テーブルの角を挟んだ右隣に春菜さんが腰を下ろすと、化粧水だか香水だか、甘くとがった匂いが鼻孔をつきます。
それとなく春菜さんの顔を観察すると、よほど丹念に手入れをしているのか、それとも生まれつきの肌なのか、仄白の頬は透き通るようにスベスベなのです。
一重瞼で切れ長の瞳に見据えられると、ふっと吸い寄せられるみたいに、頬ずりでも口づけでもされてしまいそうな妖しさです。
美人とか可愛いとかいうよりも、牙をひそめたキュートな女豹という雰囲気でしょうか。

