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4畳半でスワッピング
第9章 その経緯は

二人は慌てて唇を離して、桃代がスマホ画面の名前を確かめると、お姉さんの桜子さんからの着信です。画面をスワイプして電話に出ます。

「もしもし、お姉ちゃん、朝早くからどうしたの?」

「あのね、中華街でランチをしようと思ってさ、久しぶりに旦那と二人で横浜まで出てきたのよ。食事の前にあんたのアパートに寄ってみようかなと思って電話したのよ」

「いいわね、待ってるよ。金太郎は休日出勤でいないけど、久しぶりだし、いらっしゃいよ」


電話を聞いていた春菜さんは、事情を察して立ち上がります。
帰ろうとする春菜さんを、桃代は呼び止めました。

「春菜さん、待って! ちょうどいい機会だからさあ、姉夫婦を紹介するよ。一緒にお茶しようよ」

「でもさあ、お邪魔じゃないの?」

「お邪魔じゃないよ。姉といっても一つ違いだからね、きっと仲良くなれるよ」

「ふーん、どんなお姉さんなんだろう……」

「来るまでにさあ、15分くらいかかるって言ってたよ……」

そう言って桃代は、春菜さんの目をじっと見つめているのです。
挑発するような、訴えるような、潤んだ瞳で見つめています。

「春菜……さん」

「桃ちゃん……」

桃代は先ほどの続きを催促している……、
そう察した春菜さんは、そっと唇を寄せて、プチュッと合わせます。

「ブチュチュ、うぐ、ブチュチュ、あう、ブチュチュ」


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